ロシア語に最も関心を持っているのはアジアの学生たちだ

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ロシア語の教科書 - Sputnik 日本
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モスクワには、ロシアで最も古く、最も大きな外国人のためのロシア語教育機関の一つであるモスクワ国立大学付属のロシア語・文化大学がある。同大学には、外国人がモスクワ大学やロシアのほかの大学に入学するための準備コースだけではなく、全ての希望者のための実用ロシア語コースもある。また同大学では教師や専門家たちが、ロシア語の教科書や参考書を製作したり、教育方法などの開発も行っているほか、ロシア語教師の育成や、外国人のロシア語教師たちの専門性向上などにも取り組んでいる。

ロシア語・文化大学の歴史は、モスクワ大学の歴史を200年遅れて辿っている面がある。モスクワ大学は2015年、創立260周年を迎えているが、ロシア語・文化大学は2014年に60周年を迎えた。ロシア語・文化大学のワレリー・チャスヌィ主任教授は、次のように語っている。

「今から60年前、モスクワ国立大学に外国人のためのコースが開設され、その時から私たちの大学の歴史が始まりました。1940年代末の戦後の時代、モスクワ大学に初めてベトナムから若い留学生たちがやってきました。この学生たちには、通常の授業とは別にロシア語の授業を行う必要がありました。その後、アルバニア、ブルガリア、ハンガリー、チェコスロバキア、ポーランド、ルーマニア、モンゴル、その他の国から若者が訪れるようになり、外国人のためのロシア語という新たな方向性が形成されました。1959年、モスクワ大学の外国人のためのロシア語コースを基盤に、外国人のための準備学部が設立されました。これはソ連領内における初の外国人のための準備学部だと考えられています。私たちは全くの初心者から上級者まで、あらゆるロシア語レベルの学生を受け入れています。授業はグループで行うものもあれば、個人レッスンもあり、私たちがつくった教育プログラムを基に行われます。プログラムは、『スタート』、『全ての人のためのロシア語』、『ロシア語実践コース』などがあり、新しい教科書として、『ロシアへの道』などがあります。これらのプログラムは、ロシア語の初心者を指導するための基礎的な参考書として世界中で使用されています。教育プログラムを作成する際に重要な原則は、学生たちのあらゆる要求やニーズを満たしたいという欲求です」。

ロシア語・文化大学では、主にロシア語のレベルに応じて学生たちがグループ分けされる。学生はロシア語のテストを受け、その結果で最大8人のグループが形成される。2週間から10週間までの短期コースもあれば1学期あるいは1年間のコースもり、ここではより柔軟性のある優先的なアプローチが行われる。なお例外なく全てのプログラムにロシア語教育の基本的側面が含まれている。すなわち、発音、イントネーション、語彙、文法、会話の授業などが行われている。そのほかセミナーや特別授業なども選択できる。テーマは、ロシア文学、歴史、文化、ビジネスロシア語、フォークロア、音楽文化などだ。チャスニィ主任教授は、ロシア語・文化大学はアジア諸国の若者たちの間で特に人気があると述べ、次のように語っている。

「私たちは最近、自国でロシア語を学ぶ学生のための研修課を開設しました。最初の学生数は20人でしたが、今は毎年600人の生徒たちが訪れています。彼らは1ヶ月から1年間ロシア語で研修を行います。英国、米国、インド、フランス、イタリアなど、世界中から生徒たちが訪れていますが、最も多いのは日本人と韓国人です。日本と韓国ではロシア語学習者の数が安定して維持されています。日本の大学とはずいぶん昔から協力関係を結んでおり、日本から積極的に研修生が派遣されています。韓国では最近、単にロシアの教育やロシア語がなんらかのブームになっています。何と関係があるのかは知りませんが、事実です。私たちの大学の評判が良いからなのか、私たちは関心は関心が低下しいているとは感じていません。ロシアに制裁が加えられた時でさえ、私たちは全く感じませんでした。私たちの大学では、年間合わせて約1300人の学生が学んでいます。なおロシア語が少ししか分からないだけでなく、ロシアについて全く知らない人たちも大勢やってきます。そして次第に彼らの世界観が変わってゆくのです」。

ロシア語・文化大学の他に、モスクワ大学の文学部を基盤にしたロシア語のサマースクールもある。16歳以上であればサマースクールには誰でも参加できる。期間は6月29日から8月23日まで。いつでも学習をスタートできる。なお最短受講期間は3週間で、最大受講期間は8週間。費用は受講する期間によって異なるが、もっぱら受け入れ可能な価格だ。宿泊場所は、モスクワ大学の寮となる。宿泊費は、1日12-15ドル。さらにモスクワ観光もカリキュラムに含まれており、無料で行われている。また休日、学生たちにはモスクワ郊外のクリンにあるチャイコフスキーの家博物館や、トルストイの屋敷博物館があるヤースナヤ・ポリャーナなど、興味深場所への小旅行も提供されている。なお、これらの旅行は有料となる。

ご存知のように、ロシア語は最も表現力豊かな言語だが、最も難しい言語でもある。そのため、外国人はロシアでロシア語を勉強するのが一番いと思われる。それはなぜか?外国語を学ぶ時は、それがどの言語であろうとも、それを母国語とする国の文化や生活に浸りながら学ぶのが最も効果的だからだ。外国人はロシア人と交流しながらロシア語の特質や発音の特性などを理解し、ロシア語の感情的な特殊性をより深く感じることができる。そのほかロシアでロシア語を学ぶ人たちは、ロシアの自然と触れ合ったり、様々な町を訪れて自分の目で興味深いロシアの名所を見ることもできる。

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