田中氏「もともと、まずは就労先を見つけるために、難民と企業とのマッチングをさせなければ、と思っていました。しかしそれですと結局就労先が見つかっても、ビジネス文化をよく知らなかったり、仕事に必要な日本語がわからなかったり等の様々な課題が出てきました。ですから今はまずマッチングありきではなく、準備段階のプログラムをしっかりと組み、必要な知識の提供や、お互いの期待値のすりあわせを行い、その後にマッチングを行うという流れになっています。」
米アラバマ州は、パリのテロ事件を受けて、シリア難民の受け入れを拒否する方針を表しました。https://t.co/vcw9WiY2ga 欧州諸国は、自国の安全保障のために、難民流入を阻止するため、国境を閉鎖するべきだと思いますか?
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) 16 ноября 2015
難民支援協会では就労準備前のプログラムを設けて、トレーニングを行っている。生活で必要な日本語と、仕事で必要な日本語は必ずしも同じではないため、トレーニングでは仕事の現場で必要な日本語に焦点をあてている。難民認定申請者はほとんど日本語ができないため、皆かなり苦労しながら学んでいるという。語学そのものだけではなく、働く上で必要な挨拶や、『5分前集合』『ほうれんそう(報告・連絡・相談)』といった日本のワークカルチャー・概念を合わせて学んでいくという内容だ。
田中氏「日本の労働文化に対して何の知識もないまま会社に入ってしまうと、『5分くらい遅刻してもいいだろう』という気持ちになってしまう人もいます。しかし企業によっては5分前に来るのが当たり前だったりします。お互いがお互いを知らないがゆえに誤解が生まれてストレスになってしまい、結局うまくいかず、退職してしまうという問題が何度もありました。そういうことを防ぎ、難民にとっても企業にとっても就労マッチングが良い出会いであるように活動しています。」
難民支援協会によると、就労に関する相談は年間で412件あった。具体的にマッチングが成立したのは直近1年間(2014年の7月から2015年6月まで)で17件だった。実績があった就労先としては、職人の担い手がいない中小規模のものづくり企業、語学力が生かせる商社、ホテルの清掃業などだ。