元がIMF準備通貨入りすることで世界の中央銀行が元に寄せる関心が一層高まることが予想されている。だがすべては中国政権がどれだけ迅速に市場を世界に開放するかにかかっている。IMFのラガルド専務理事は「これは重要な道標であり、それが立つ道は疑いようもなく大きな改革を伴うものとなる」と語ったが、これは中国の金融システムの深刻な構造改革を指しての表現だ。これは元の強硬な固定変動性の緩和条件を遂行し、外国投資家のための透明性の制度を提供することを意味する。
ガスプロムバンク経済予測センターの主任専門家、エゴール・スシン氏はIMFの決定は市場にとってはサプライズではなかったとして、次のように語っている。
通貨バスケットは時代遅れだ。世界経済の構造、国際通貨や金融システムの構造にはずいぶん前から合致しなくなっている。元は支払い量からいって事実上、すでに5番目の通貨となっている。国際舞台で元が躍進的に伸びたのがここ2年のことだったとしても、決済通貨、支払い通貨としては元はすでに5番目の通貨となっている。だがこれは元の限界ではない。現在、欧州と中国の間で元による取引が非常に活発化している様子を我々は眼にしている。中国と米国の間の取引は今のところ弱い。それはドルが君臨しているからだ。だがアジアでは元はすでに主導的立場を占め始めている。これがなぜ中国に必要なのかといえば、まず中国の国際市場における立場を強化し、連邦準備制度ほか、中央銀行の政策変更に左右されるリスクが低まるからだ。これで世界における役割が広がり、影響力も拡大する。中国は世界第2の経済となった。輸出量でも生産量でも中国は首位を占めている。同時に中国の経済システムは常に閉鎖的であり、元を国際通貨バスケットに入れることに関連した自由化はある種のリスクを伴う。特にそれは資本流出のリスクで、これはレートの動きや金融システム全体の安定に強く影響しうる。いうまでもなくシステムが閉鎖されているときは、こうしたことはよりコントロールが効く。」