孤児院の子どもたち、日本のラーメン初体験

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今月12日、日本ユーラシア協会浦和支部は、昨年サンクトペテルブルグにオープンした日本のラーメン屋「ヤルメン」と協力し、ロシアの孤児院の子どもたちをヤルメンに招待するチャリティイベントを行った。ヤルメンは、日本ユーラシア協会浦和支部の梅本和正支部長が主導し、東日本大震災後にロシアが支援してくれたことに対する恩返しプロジェクトとして誕生した店だ。

日本ユーラシア協会浦和支部では、以前にハバロフスクの孤児院を訪問しており、それをきっかけに、バザーの売上金を孤児院に寄付するという活動を行ってきた。今回は恩返しプロジェクトの一環として、孤児院の子どもたちにラーメンをふるまおうと、梅本氏が中心となり会員から寄付を集めた。会員の中には年金から寄付をした人もいたということだ。招待されたのは、サンクトペテルブルグ市内の孤児院の21名の子どもたちと、4名の職員だ。

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梅本氏「イベントは日本の紹介から始め、地球儀をもってきて、日本がどこにあるかクイズをし、みんなに答えてもらいました。名札作りや折り紙体験をし、子どもたちは興味津々で参加してくれました。恥ずかしながら私は鶴の折り方がよく分かっていなかったんです。隣の男の子と一緒に苦戦していたら、折り方の図面を見て上手に折る女の子がいて、私も教えてもらいました。そうこうするうちにラーメンができあがってきました。折り紙の上手な子は箸も上手に使うんですよね。他の子に教えていました。みんな『おいしい!』と言ってくれましたよ。これは何?と聞かれて、メンマの説明をしたり、この肉は何の肉?と聞かれて『チャーシューってロシア語で何だっけ…』と豚の真似をすると、それはPigって言うんだよと英語で教えてくれました。最後に大きな声でありがとうと言ってくれ、雪の中を帰っていきました。子どもたちの満面の笑顔を見ていたら、何故か涙が出てきてしまい、気付かれないようにそっと涙を拭きました。孤児院の職員さんは、いつもは人の話を聞かずに騒がしいのに、今日は全員真剣に話を聞いていて、こんなのは初めてだとびっくりしていました。」

日本のアニメを通してラーメンを知っていた子もいたようだが、もちろん食べるのは初めてだ。最初はおそるおそる箸をつけていた子も、あっという間に完食した。

© 写真 : Kazumasa Umemoto孤児院の子どもたち、日本のラーメン初体験
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梅本氏「みんなが食べるのを見ていた私に向かって、前に座っていた子が、あなたも食べない?お腹がすいたでしょ?と気にかけてくれるんです。なんて思いやりがあるのだろうと思いました。普通なら、後で食べるからいいですよ、と断るところですが、私はその気持ちを大切に受け取ろうと、あえて少し分けてもらいました。食べながらまた涙が出てきました。こちらが恩返しをしようと思っているのに、逆にロシア人というのはこちらを助けてくれます。ヤルメンのロシア人従業員は、今度は自分たちの資金で孤児を招待したいと言ってくれています。近日中に、ヤルメンでは同様のイベントを開催します。一度もレストランに連れて行ってもらったことのない子どもたちに、笑顔になってもらいたいのです。」

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また、オープンから半年を迎えるヤルメンの最近の様子について、梅本氏は次のように話している。

梅本氏「ロシアでも本物のラーメンが食べられるとあって、毎日のように来る常連さんや、わざわざモスクワから来られる日本人の方もいます。丼ものやカレー、からあげ、餃子といったサイドメニューも好評で、ありがたいことです。しかし、ロシアではどこの飲食店もそうなのですが、冬場は客足が鈍り、平日はとてもお客さんの少ない日もあります。輸入食材は割高ですが、ヤルメンでは日本とほぼ同じ値段で提供しているので、経営は正直なところ厳しいですね。でも、ヤルメンは東日本大震災時の恩返しをコンセプトに作られたお店です。ですから助け合い・絆の精神を思い出し、厳しいロシア経済の中でも踏みとどまって頑張っている日本人駐在員の皆さんとも励まし合い、厳しい冬を乗り切りたいと思っています。」

 

 

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