中国語の統一国家試験の導入は、学校で東洋の言語を教えるための教育プログラムと、大学の言語教育を連結させることを助ける。今までは、学校で中国語、日本語、アラブ語を学んだ学生たちは、大学に入学した後、これらの言語を再びゼロから学び始めなければならなかった。
東洋の言語を学ぶことができる大学は、ロシアにはあまりなかった。例えばその中には、ロシア最古の教育機関の一つであるモスクワ国際関係大学がある。同大学の卒業生には、ロシアの政治家、経済学者、政治学者などがたくさんいる。モスクワ国際関係大学の東洋言語の試験について、通信社「スプートニク」のアンナ・オラロワ記者が、同大学の受け入れ・入学準備センターの所長を務めるセルゲイ・フィ
コフ氏にお話を伺った。フィリコフ所長は、次のように語っている ‐
「我々の大学の国際関係学部には、伝統的に、1年生で中国、アラブ語、トルコ語、日本語の勉強を続けるグループがあります。彼らは、学校ならびに私たちの準備コースで東洋の言語を学んだ学生たちです。ですが彼らは、統一国家試験形式の試験ではなく、我々のフォーマットで試験を受けます。モスクワ国際関係大学では、珍しい東洋言語のコースが1990年代から存在しています。東洋の言語は、1995年に入試プログラムに組み込まれました。入学する際の東洋言語の試験は、同大学ではすでに伝統となっています。」
フィリコフ氏は、中国語の統一国家試験が正式に導入された場合、大学には根本的に異なる言語レベルを持つ学生が入学してくるため、学校のみならず大学も、言語の教育システムの見直しを余儀なくされるだろうとの見方を示し、次のように語っている —
「もちろん私たちは、国際関係学部、国際経済関係学部、政治学学部で実施されている我々の中国語に関するプログラムを見直します。ロシアで中国語の統一国家試験が導入されるのは、早くても1年後です。私たちは1年後に、我々の中国語に関する入学準備も再編成します。そのためには、大学に入学する前の準備学部における中国語の時間を増やす必要があります。今は280時間で、第2言語としての東洋言語の教育プログラムと同じです。監督・測定教材と呼ばれる統一国家試験の教材は、基本的な外国語プログラムの水準で作成されています。実際のところ、私たちは、中国語の学習時間をおよそ倍に増やさなければならなくなるでしょう。」
ロシアの学校で中国語を学んでいる学生は5000人以上。2017年から2018年に中国語の統一国家試験が導入された後、中国語を勉強する学生たちは、モスクワ国際関係大学だけでなく、他の大学でも中国語の勉強を続ける可能性を受け取ることになる。