福島第一原発の悲劇は原子力発電に終止符を打たなかった

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福島第一原発の事故は、世界の原子力発電業界にとり過去25年間で最も大きな事故だった。それにもかかわらず、日本政府は、原子力エネルギーを放棄するつもりはない。ロシアの著名な専門家ニコライ・テビン氏はそう語る。

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「日本の電力消費量に占める原子力エネルギーの割合が、福島第一原発事故前が27%、事故後は22%となる計画だ。このわずかな減少は、原子力の放棄というよりは、むしろ衛生措置と呼びうるものだ。2014年末の選挙で自民党は9政党中、公然と原子力発電推進を訴えた唯一の党だった。他の政党は様々な番組で、反対の立場を表明していた。そして、それは自然なことだった。一部の政党は、原発反対のスローガンだけで結成されたのだった。しかし、それらのすべてが敗北し、自民党が勝った。投票するときは感情でなく落ち着いた計算と経済が物を言うのだ」

経済状況は原子力発電所の再稼働を必要とするが、安全要件は強められている、とニコライ・テビン氏。

「最初の要件は津波からの保護。多くの原子炉が水辺にあるため。以前は、津波を防護する防波堤の高さは7mだったが、今は少なくとも11m。またひとつの要件は耐火ケーブルの交換。これも時間のかかる作業だ。また、新たな要件もある。予備指令管理センターの設置だ」

「福島効果」で一連の国に原子力への恐怖が生まれた。しかし、ロシア、米国、英国は、原子力発電所建設計画を放棄しなかった。ただし、「日本の経験に基づき、安全基準の注意深い管理を」行う、とのことだった。日本もこれと同じコースを確認している、とニコライ・テビン氏。

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「原子力エネルギーは日本の輸出の優先的方向性に含まれている。 2014年、就任直後の安倍首相が、一気に2カ国を訪問した。訪問の目的の中には、原子力発電所の建設の契約があった。ベトナム、トルコで、世界の原子力エネルギー推進において、今日本はロシアの競争相手となっている。国外での原子力発電所の建設は非常に有益なビジネスだ。そして、日本は原子力産業における競争力を向上させるためにたくさんのお金を投資してきた。また、日本は、原子炉の建設に加えて、多くの場合、ついでに港や鉄道の建設への投資を提案している。このことは野党の批判の種になっている。福島の悲劇を経験しながら核施設を輸出している、との批判だ」

当初の原子炉は外国からの供給、または外国の開発者の図面に従って建設された。しかし、70年代後半には、東芝、日立、三菱などの企業が独自の原子炉で日本の発電市場に参入。2011年3月11日以降核恐怖症を経験したにもかかわらず、平和原子力は国のエネルギーバランスにおけるその主導的地位を放棄するつもりはない。

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