ヴォルゴグラードと南クリル諸島青年フォーラム、現地では日本人の参加を心待ちに

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夏休みも終わりに近くなったこの時期にロシアの中でも互いに離れた地域であるヴォルゴグラードと南クリル諸島でほぼ同時に青少年らの国際フォーラムが開催されている。その両方に日本の青年団体の代表らが参加している。

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ヴォルゴグラードで開催されているのは青少年国際平和未来会議。この会議が初めて開催されたのは2005年。原爆投下から60年が経過したことに合わせて広島で開催された。以来、会議は広島、そしてその姉妹都市らを舞台に開催されてきた。ヴォルガ川の河畔にあるヴォルゴグラードも広島の姉妹都市のひとつとして2005年から会議に参加してきており、2012年に初めて開催地としての役割を引き受けた。

そして2016年、ヴォルゴグラードは再び青少年国際平和未来会議の開催地となり、ここにロシア、フランス、ドイツ、日本、中国、タイと6か国からの青年団体の代表らが集った。会場となっているのはスターリングラード(ヴォルゴグラードの旧称)攻防戦記念博物館。ここには第2次世界大戦の中でも最も多くの血が流された攻防戦の様子を表現したパノラマのほかに、世界によく知られた広島の平和の鐘のレプリカが展示されている。この鐘は1985年、ヴォルゴグラード代表団が広島を訪問した際に広島市の当時の荒木市長から贈られたもの。鐘にはロシア語で「平和の鐘、永遠の友情と平和のしるしに我々広島市がヴォルゴグラードに贈る」と書かれている。

ヴォルゴグラードでの日本代表団の団長を務めるのは井内康輝(いない・こうき)さん。広島大名誉(めいよ)教授(病理学)の井内さんは高校生から20代の社会人まで、「真の国際人」を目指すメンバー12人でつくる、ひろしまインターナショナルクラブでアドバイザー役を務めている。井内さん(64)はスプートニクからの取材に対し、何よりも大事なのは市民の間に、特に若者たちの間に相互理解を確立することとして、次のように語っている。

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「2005年に始まりました、青少年国際平和未来会議。それで広島と、それから広島の姉妹都市を交互に開催地にして、ずっと毎年1回ずつ開いてきました。例えば去年は広島にとっては被爆の70周年だったので、広島で20カ国23都市から70人以上の若い人たちが集まりました。

今年は海外でやる順番なので、姉妹都市の1つのヴォルゴグラードへ今来ています。それで、ヴォルゴグラードの姉妹都市とか広島の姉妹都市も一緒に集まっています。全部で50人今集まっています。

それで何をするかっていうと、若者が集まって、平和を達成するために何ができるかって言う話し合いをしてもらおうと思っています。

力は政治家のように強くはないけれど、やっぱり若い人たちがお互いに相互理解をすることによって、やっぱり将来の礎ができるだろうと思っています。

広島は1945年の8月6日に、人類で始めて原子爆弾が落とされました。一瞬にして14万人の人が亡くなった。大変悲惨な出来事がありました。それに対してヴォルゴグラードは、1942年から43年にかけて、スターリングラードの攻防戦というのがあって、ここでも多くの人が亡くなりました。町は完全に破壊されました。

そういう、第2次世界大戦中に破壊された町同士が手をつないで、世界平和を達成しようというのがこの会議の目的です。」

ヴォルゴグラードのアレクセイ・ヴォロツコフ副市長はスプートニクからのインタビューに、青年フォーラムへの日本人の参加がいかに重要かについて次のように語っている。

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「広島、ヴォルゴグラードといった戦時中に数えきれないほどの人命を失い、不屈の象徴となった都市においては、第2次大戦の歴史から遠く離れた若者世代が単に平和を維持する必要性にとどまらず、平和を守るために戦わねばならないことを意識し始めています。こうしたなかで異なる国の人たちが連帯し、個人的な出会いを経験することが非常に重要ですし、まさにそれをフォーラムが担っているわけです。」

これと同時にイトゥルプ、クナシルの両島でも「南クリル諸島」という名称の国際青年フォーラムが開かれている。参加者らには環境、観光、郷土史、スポーツの各分野でイベントが用意された。若者らは温泉地や島の自然保護地区への遠足、火山への登山に参加する。組織者サイドが関心を持っているのは自然保護問題に限らない。日本をはじめとする諸国の同年代の若者とどのようにして相互理解が図れるかということだ。8月19日には、クナシリ、シコタンの両島の若者と日本の青年団体との友好交流が予定されている。

日本とのビザなし交流の専門家、ダリヤ・ヴァレーエヴァ氏はスプートニクからの電話インタビューに次のように語っている。

「日本人の訪れを心待ちにしています。明日、19日に到着ですけど、数県からの若者の代表を集めた64人による代表団です。彼らのために様々なプログラムを用意しました。その中で活発な交流や討論を行ってもらいます。討議すべき議題はあるはずです。」

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