危険なレトリック:韓国、中国とロシアの想像上の攻撃に応答する

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韓国は2017年に韓国の領土に配備される最新米国システムTHAADに対しロシアや中国から攻撃を受けた場合、そのミサイルを撃墜する可能性がある。韓国のハン・ミング国防相の言葉を聯合通信が伝えた。

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露中ミサイルは当のTHAADシステムで撃ち落とすという。その配備の発端は頻発化する北朝鮮の弾道ミサイル発射実験だ。露中の反対にもかかわらず、THAADシステムは国の安全を守るために韓国に必要だ。

しかし、ロシアの軍事専門家ウラジーミル・エフセーエフ氏によれば、治安を根拠にTHAADシステム配備を是とする主張には、情勢上の必要から言っても、システムの能力からいっても根拠がないという。

「ロシアが韓国に発射するつもりはないことは明らか。しかし、たとえ仮に撃ったとしたとしても、米国のシステムがロシアのミサイルを迎撃することが可能であるというのは事実ではない。しかし、重要なことは、そもそも韓国の領土に展開されるTHAADシステムは韓国人を守るシステムではないということだ。これは韓国人の防護のためだという指導部の声明にもかかわらず、 THAADシステムは第一に朝鮮半島の米軍施設を保護するために設計されている」

システムの強力な放射線が地域住民の健康に害を与える可能性や、北朝鮮をさらに刺激することにしかならない、という根拠から、韓国へのTHAADシステム配備への抗議が活発化している。露中もこれをアジア太平洋地域えのグローバルMDの展開につながるものと見て反対の意を唱えている。しかし、すでに今、韓国では、攻撃の際のミサイル迎撃計画が話されている。今回の韓国国防相発言はどう説明されるのか?

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「このようなレトリックにはいくつかの要因が影響を与えている可能性がある。まず、米国は韓国に、日本よりもさらに大きな影響力を持っているということ韓国が米国にミサイル配備について同意したが、これは韓国がますます米国のアジア太平洋地域政策の実施にコミットしていくということだ。したがって、声明は米国からのある種の圧力下で行われた可能性がある。米国は反ロシア的レトリックと引き換えに北朝鮮への制裁について韓国を支持している。この背景には、南シナ海における最近の露中演習があるかもしれない。このような形で韓国はロシアと中国の急接近に反応しているのかもしれない。それがソウルと北京の関係悪化を条件に行われていることも重要だ。

今回のレトリックのもう一つの要因は、非常に不安定な立場にあるパク・クネ氏だ。任期はあとわずか1年。最近では保守派の影響が強くなっており、パク氏の政策は、前任者イ・ミョンバク氏のそれにますます似通ってきている。つまり、より右寄りに。そこからこの声明が出たのだ。また、ロシアに圧力をかけたいという願望もすけて見える。ロシアに北朝鮮の核・ミサイル開発への圧力をもっとかけてもらえるように、ということだ。しかし、ミサイル防衛システム配備とそれによる反撃の可能性に関する韓国国防相のレトリックは、朝鮮半島の状況を改善することにはつながらない」

先にロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は「韓国への米国ミサイル防衛要素の展開の決定は、地域情勢や北朝鮮の抑止という課題をさらに複雑にする」と指摘。北朝鮮の核計画に関しては、パク大統領は最近、地域の安全保障への最大の脅威は北朝鮮の核開発であるとして、圧力一辺倒になっている。ロシアもまた、北朝鮮が核保有国となる権利を認めていない。しかし、ロシアの立場は、北朝鮮による挑発行為の停止だけでなく、それにはソウルとワシントンの対応措置が必要だ、というものだ。たとえば、平壌を挑発することにしかならない朝鮮半島における軍事演習の縮小など。それらは「緊張を生み出す」相互非難の悪循環に状況を変えてしまう。

そして、互いにミサイルを撃墜するという約束。しかし、このような核のピンポンに、勝者はあるのか?

なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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