なぜ日本人は領土紛争へのアプローチで柔軟性を見せるようになったのか?

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クリル諸島 - Sputnik 日本
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日本の安倍首相は、今月中旬にペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットにあわせて、12月15日に予定されている露大統領の訪日についてプーチン大統領と協議することに期待している。

安倍首相とプーチン大統領 - Sputnik 日本
安倍首相 ペルーのAPECサミットでプーチン大統領と会談の考え
なおプーチン大統領の訪日を前に、毎日新聞が11月5、6日両日に日本全国で世論調査を実施した。その結果、ロシアとの領土紛争について、日本の住民の大半が、柔軟に対応するべきだと考えていることが分かった。日本が領有権を主張する南クリルの4島の引き渡しを目指すべきだと答えたのは、わずか25%で、大半(57%)が「柔軟に対応すべきだ」、9パーセントが「関心がない」と答えた。

12月に山口県長門市で予定されているプーチン大統領と安倍首相の会談を前に、ロシアとの領土紛争の解決に関する日本の世論がポジティブに変化したのは何故か?何が影響を与えているのだろうか? ロシアの政治学者で日本研究者、そして国際関係の専門家であるドミトリー・ストレリツォフ氏は、最新の世論調査結果について、数年の間に高まり続けている長期的な傾向の結果だとの見方を示し、次のように語っている-

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12月のプーチン・安倍会談は平和条約締結の「最後のチャンス」?
「この傾向は、領土紛争交渉で確固たる姿勢を取り続けても見通しが立たないという日本国民の理解を反映している。この姿勢ではいかなる進展もなく、未来を変えることはできないのではないか、というものだ。この見通しがないという認識の中で、世論は以前よりもはるかに大きな現実的態度を示した。そして全体として、日露関係では政治の分野で、関係を深化させる必要がある、日本にとってロシアは欠かせない、という理解が生まれた。これは部分的に、この方向で大きな努力を払っている日本の政治指導部の功績だ。これをメディアが取り上げている。そしてそのお陰で、世論が、ロシアは日本の国益にとって重要なパートナーである、領土問題は相互の妥協に基づいてのみ解決できる、という理解の方向へ質的に変化している。その他にも、日本人の今の世代のロシアに対する感情が、以前よりもよくなったように思われる。」

日本のロシアとの経済協力の拡大が、領土問題の解決を促進する可能性がある。日本政府は今、両国の平和条約締結のための条件づくりに期待し、この方向で努力している。安倍首相は11月7日、首相官邸でロシア経済分野協力担当の世耕経済産業相と会った。世耕氏は安倍首相に、終えたばかりのモスクワ訪問の結果を報告した。日本側は、数十件の発案の検討を提起し、ロシアは約70件を提案した。これは、合わせて約100件の合同プロジェクトに関するものとなる可能性がある。

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