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ホルス氏は「ゲーム依存症は現在デジタルのコンピューターゲームに囚われたもので、麻薬的な新たなペストだ。なぜなら莫大な数のティーンエージャーがこれの囚われの身になってしまっているからだ」と語っている。
ホルス氏いわく、人間は麻薬を使用すると自分の状態が変化し、幻覚、つまり自分の周囲には存在しないものを感じるようになる。ところがバーチャル世界とは存在しないものであるため、脳はこの存在しない環境を麻薬のように感受してしまう。
「幻覚が見えるのはつまりドーパミンとセロトニンの生成に障害が起きているということ。脳は神経伝達物質を生成し始めるが、そのためには刺激が必要で、刺激が欠如している場合、脳は故障し始める。これが始まると人間は、ゲームという麻薬なしでは苦しくてたまらない。いわゆる麻薬中毒者らの言う『砕ける』という状態に陥る。」
ホルス氏はバーチャル世界が押し付けられている例としてあるテレビ・コマーシャルを挙げた。親と子どもがカフェに座っている。子どもはアイスクリームを食べているが、途中で落としてしまい、泣き出す。泣き叫ぶ子どもに親がタブレットを与えたとたん、子どもは泣き止む。子どもにキスをしてなだめてあげる代わりに、親はバーチャル世界という麻薬を与えてしまう。
ホルス氏はいかなる依存症も3つの段階を踏むという。最終段階に特徴的なのは個性の変質で、何日も立て続けにゲームを行うことができる。
ホルス氏は大切なのは、その人が依存症の対象物にとらわれたばかりの第1段階で気づくことだと力説している。
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