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長年の師だったトゥトベリッゼ監督のもとを去ったメドベージェワは、今回初めてカナダのブライアン・オーサー監督とともにリンクに現れた。メドベージェワが五輪からこの間にカナダ流のスケートをどう身に着けたかについては、期待や憶測が飛んでいた。また、トゥトベリッゼ監督とメドベージェワ、メドベージェワとザギトワがリンクでどう再会するかもゴシップ的な関心を一心に集めた。
トゥトベリッゼ氏は手塩にかけて育てたメドベージェワが突然門下を出た後、事態は「オーサー監督からの挑戦状」と発言したり、平昌五輪でのメドベージェワとの秘密の会話の内容を暴露したりと憤懣やるかたない態度をあらわにしていた。トゥトゥベリッゼ監督のことを一切悪く言わず、沈黙を守るメドベージェワとは正反対だった。トゥトベリッゼ監督はメドベージェワの演技を見届けずに会場から姿を消した。
ガグ・ハウ監督は現在のメドベージェワのコーチであるブライアン・オーサー監督の近しい友人でこの話をオーサー監督から聞いたと語っている。
ハウ監督は「トレーナー(トゥトベリッゼ監督)はエフゲニアに向かって彼女のキャリアは終わった、これ以上、何も達成することはできないと言ったそうです。このことはブライアン(オーサー監督)が私に話してくれました」と語っている。
こうした噂が立つ一方で、メドベージェワの振付を数度にわたって担当してきたイリヤ・アベルブフ氏が冷静な視点で両方の肩を持つ発言をした。
「こういったこと(ハウ監督の発言)に注意を向ける必要はありません。ジェーニャ(メドベージェワ)はクリスタルのように澄んだ少女です。毎日重労働のトレーニングを自分に強いている。
常にメドベージェワの方を持ってきた大御所監督のタチアナ・タラソワ氏は、カナダの新監督がメドベージェワを守ろうと、ロシア杯への出場も辞めさせたことを評価した。タラソワ監督はメドベージェワの比類ないレベルをそうした場で証明する必要はなく、むしろより重要度の高いトーナメントに向けた準備に集中させるというオーサー監督の判断は正しいと語っている。
メドベージェワ自身は各社からの取材のなかでカナダのフィギュアスケート環境について「土壌が固い」と満足と自信を表している。ロシア・フィギュア界をけん引してきた希望の星が新天地で才能を開花することに期待したい。