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記者から、プーチン大統領がまず条約締結を先行させる提案をしたことついて、首脳会談を22回も実施しているにもかかわらず、領土問題の解決がなおざりにされているのではないかとの問いが投げかけられると、安倍首相は、日露関係の専門家はそれとは別の評価であり、提案は、平和条約は必要だという大統領の真摯な決意と受け止めたと語った。
「北方四島は今、残念ながらロシア人しか住んでいない。実効支配の状況を変えるインセンティブを与えるのは相当難しい。私が意欲を見せない限り、これは動かない。」
安倍首相は、長門会談で合意した南クリル諸島におけるロシアとの共同経済活動については、日本人が初めて日本の法的立場を害さない形で四島に行って作業をすることが、膠着状況を進展させる方策だと説明した。
「四島の元島民は今まで飛行機で墓参は叶わなかったが、それが2年連続でできている。これは私が『あなた(プーチン大統領)とやろう』というところを示しているから前に進んでいるのであって、斜に構えて『そう簡単ではないよ』と言い続けたら、1ミリも進まないどころか、後退していく。」
自分の時代にやるという姿勢は前のめりすぎではないかという質問に安倍首相は、河野一郎氏など、自分の時代にやると宣言して交渉してきたから前に進んだのであり、その決意表明がなければ進展はあり得ないと切り返した。
「ソ連時代は外相会談の実施すらとても難しく、首脳会談だってできなかった。やっとこれだけ頻繁に首脳会談ができるようになったのは、今の時代になって私とプーチン大統領がともに平和条約を私たちの手でやろうと話しているからだ。政治的にダメージを考えれば、むしろ期待感を上げないことを言いたいものだ。だが言わないと進んでいかない。私だってリスクをとっている。」
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