訪日外国人観光客:もたらすのは利益か面倒か?

© Depositphotos.com / BennymartyТуристы фотографируются у достопримечательностей в Токио, Япония
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今後、日本を出国する旅客全員に新たに1000円の出国税が課されることになった。この法律はあらゆる国の国民に適用される。例外は船舶や航空機の乗組員、2歳未満の子ども、トランジット客、外交官、強制退去者のみである。また、航空機の緊急着陸時や外国船が気象条件により日本の港湾に寄港せざるを得ない場合も税金は課されない。旅行客が増加してことを考えると、出国税は時とともに、国に少なからぬ税収をもたらすかもしれない。

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日本政府観光局(JNTO)によると、2018年には、世界中から3100万人以上の人々が日本を訪れた。東京でオリンピックが開催される2020年には、訪日観光客数が4000万人に増加する政府はと期待している。これは良いのか、悪いのか?間違いなくプラスなのは、例えば、新しいホテルがオープンし、それに伴って雇用が増加することである。外国人に日本文化をもっと知ってもらいたいという願望は、観光分野においてあらゆるサービスの増加を後押しし、価格の引き下げを促進する。観光客が各地に均等に分散するよう、政府は地方発展のために資金を拠出しており、これに地元住民が喜ばないはずがない。

増加する訪日外国人観光客に日本は対応できるのか 日本の民泊事情とAirbnb - Sputnik 日本
増加する訪日外国人観光客に日本は対応できるのか 日本の民泊事情とAirbnb
マイナス点としては、主な観光客の流れがまだ伝統的な観光地にしか回っていないことが挙げられる。「中流階級」向けのホテルは不足しており、一方で観光ブームにより小規模ホテルやホステル(民泊)は数多く誕生した。しかし、それらの多くは非公式で、賃貸住宅を宿泊用に利用する試みは、ホテル業規制の複雑な官僚主義により失敗した。また、観光分野では、外国語の知識を持った技能人材も不足している。

2019年秋に日本で初めて開催されるラグビーワールドカップはオリンピックのゲネプロとなる。この大会はラグビー史上初のアジアで開催されるワールドカップであり、アジアの多くの国々でラグビーは極めて人気のスポーツだ。当然、ワールドカップでロシア人を含む多くのアスリートやファンが日本にやってくる。

日本政府観光局(JNTO)によると、2018年に日本を訪れたロシア人の数は94000人を超える。これは2017年比で22.7%増である。JNTOによると、2018年の訪日観光客数の増加率でトップ5に入ったのは、ベトナム(+ 26.7%)、ロシア(+ 22.7%)、イタリア(+ 19.2%)、スペイン(+ 19.1%) とフィリピン(+ 18.8%)である。観光客数で見ると、韓国、中国、台湾、香港、アメリカとなる。

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おそロシアではなく、おもしロシアへ
ロシアでは、日本が最も興味深い観光地のひとつだと考えられているため、日本を訪れたいと考える人の数は常に多かった。しかし、ツアーがかなり高額なため、希望者も渡航を後回しにしていた。近年、日本は国際キャンペーン「Visit Japan」を積極的に打ち出しており、その一環で日本の旅行業者が、節約できる方法などを含め、訪日の機微を説明している。

旅行会社OneTwoTripがスプートニクに語ったところによると、2018年に日本行きの航空券を購入したロシア人は2017年に比べて34%増加した。OneTwoTripの専門家によると、ロシア人観光客の増加にはいくつかの要因があるという:特に団体客に向けた査証の大幅緩和、日本を専門とする旅行会社のオープン、航空券の値下がり、そして、お互いの関心を刺激し、日本渡航の需要を押し上げたロ日交流年である。

その一方で、インバウンド観光の急増に決してすべての日本人が喜んでいるわけではない。自然保護と自らのアイデンティティ維持を大切にし、独特のニュアンスを持った世界観やコミュニケーションの機微が文化の基盤にあるこの国では、数百万人の外国人の流入に対処するのに苦戦している。というのも、外国人の大多数はエチケットや地元の生活様式の特殊性を知らないのみならず、常に礼儀正しい行動をする者ばかりでもないからだ。これによりいくつかの地域では、例えば京都のように、観光客の流入制限を求める地元住民の運動が発生している。しかもこれは観光客が年間約1兆円を市の予算にもたらしているにも関わらず起こっているのである。こうした運動を行う活動家らは、観光客が自分たちの市に多額のお金を落としてくれていることは分かっているが、地元住民をひどく不快にしているのだと語る。人々はまた、「観光公害」を制限しなければ、日本の古都の独特の雰囲気が失われてしまうことも危惧している。

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