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ロボットは、魚側と蜂側それぞれのために2種類1つずつが用意された。魚側では、魚の形をしたロボットが自分の「仲間たち」に対し、尾やひれを動かしてシグナルを送る。一方、蜂側のロボットは空気を振動させたり温度を変化させたりすることで、蜂の群れの動きを制御する。2つのロボットは、双方の群れの動きを調整させるため、互いに700キロを超えて離れた距離から情報を交換できる。
実験の過程で、蜂側には2つの台を設置。それぞれの台には、蜂側のロボットが空気振動や温度変化を発生させるための装置が取りつけられており、装置が作動した方の台にミツバチが集まる仕組みになっている。一方、魚側では、輪の形をした水槽の中に魚の群れを魚型ロボットと一緒に入れた。魚型ロボットは、群れが時計回り、あるいは反時計回りに泳ぐよう自分の「仲間たち」にシグナルを送りながら、その情報を蜂側のロボットにも送信する。この情報を蜂側のロボットがミツバチの言葉に「通訳」し、群れ全体をどちらか一方の台に集合させる。
実験開始から25分後には、ロボットを介して双方の群れの動きが調整され、「魚の群れが泳ぐ方向によって、ミツバチが集まる台が決まる」というパターンが確立した。
研究者らは、このテクノロジーに大きな将来性があると確信している。通訳ロボットを用いることで、動物の群れの動きを制御し、例えば鳥の群れに対しては空港から少し遠いところを飛ぶよう導いたり、ミツバチに対しては一定の区画の中だけで植物に受粉させるよう仕向けたりすることが可能になるという。