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気温上昇の原因となったのは、同州から西に位置するベーリング海とチュクチ海の氷が今春、広範囲にわたって消滅したことだ。アラスカ気候研究センターによると、同州最北部にあるウトキアグヴィク(旧バロー)市内の日中の気温は、今年最初の100日間のうち計28日で最高記録を更新したという。
このように高い気温が原因で、一部の居住地にとって冬期に通行可能な唯一の道路となる凍った水路の上を通る道が、例年よりもはるかに早い時期に解け始め、その結果少なくとも5人が既に死亡する事態となっているのだ。
1961~2016年の55年間で、全世界の氷河では9兆トンを超える氷が失われている。最も深刻な打撃を受ける形になったのはアラスカ州で、この期間に同州では3兆トンの氷が失われている。2番目に大きな打撃を受けたのはデンマークの自治領グリーンランド(1兆2370億トン)で、3番目はアンデス山脈(1兆2080億トン)。ロシアとカナダの北極地方では、研究者らの計算によると、それぞれ1兆トンを超える氷が失われたという。