地球温暖化がロシアにもたらすエキゾチックな感染症=学者が語る

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北国にとって珍しいウエストナイル熱、クリミア・コンゴ出血熱、デング熱などの感染症にロシア人が感染するリスクは、地球温暖化の関係で増加する。ロシア連邦消費者権利保護福利監督庁・疫学研究所のヴィクトル・マレエフ所長が、通信社スプートニクに語った。

すべては蚊が悪いのか?

マレエフ氏によると、ロシアにおける温暖化は、世界の平均指標の2.5倍の速さで進んでいる。気温の上昇と暖かい期間が長くなることで、北部地域ではエキゾチックな感染症を媒介するやダニが広まる。

マレエフ氏は「ヴォロネジ市(モスクワから南に500キロ)ではすでにウエストナイル熱が発生した。徐々にウエストナイルウイルスは力を増している。シベリア南部でも見つかった」と述べている。


ウエストナイル熱は、高熱、悪寒、けいれん、吐き気を伴い、コレラ、狂犬病、炭疽症、C型肝炎ウイルスなどと同列に置かれ、死に至ることもある。


マレエフ氏は、ウイルスの媒介者は蚊であり、鳥と馬は終宿主であると指摘している。

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学者らは、今後数年間でロシアのヨーロッパ地域とシベリア南部でウエストナイル熱が急激に発生する可能性があると予想している。

マレエフ氏は、ウエストナイルウイルスの拡散を防ぐためには、蚊を監視し、鳥の死を分析する必要があるとの見方を示している。

流行を防止する方法は?

マレエフ氏は「蚊や鳥が集まるゴミ捨て場をつくらないようにすることだ」と指摘している。また同氏は、住宅の地下室に処置を施すことだと考えている。

さらにマレエフ氏は、ダニの生息域が拡大しており、南ドイツでは近年、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスを媒介するダニの活発化が見られていると指摘している。

ウイルスの主な宿主は有角獣。


この病気の特徴は中毒と内臓出血であり、様々な情報源によると、死にいたるケースは20-25%という。


主に感染するのは肉屋や、動物の血を扱っている人びとだ。

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マレエフ氏は、「ロシアのカルムイク、アストラハン、スタヴロポリ、ロストフ、その他同緯度にある南方地域では、野生動物の解体は定期的に行なわれている」と説明する。

同氏はまた、ダニも脳炎やライム病を媒介すると語った。

最もエギゾチックな病気

マレエフ氏は、ウエストナイル病やクリミア・コンゴ出血熱に加えて、観光客がロシアにデング熱を頻繁に持ち込むと指摘している。東南アジア諸国は媒介者である蚊の繁殖を適切に管理できないでいるからだ。

2002年に研究者グループが行った試算では、気候変動により、2080年までに更に2億件のデング熱が発生する可能性があるという。病気は主に、観光規制が効果的に行われないことが原因で蔓延すると考えられている。

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