ウスチノフ被告は8月3日、モスクワで行われた無許可の集会に参加した際に、自分を取り押さえた特別任務機動隊(略称「オモン」)の職員に対し、暴力をふるったとして、裁判にかけられていた。ウスチノフ被告自身は、都心には友人に会うために出てきたのであり、拘束された際に抵抗はしていないと主張している。ウスチノフ被告の友人、同僚らも判決は重すぎると異議を唱えており、公開された拘束の瞬間をとらえたビデオではウスチノフ被告は法に違反した態度は一切とっていないと主張している。
ウスチノフ被告の判決が下るや否や、SNS上では被告を支援するパフォーマンスが開始されている。俳優、ミュージシャンといった著名人や一般市民ウスチノフ氏の写真に支援のメッセージを添えて公表したり、この事件に対して政権の注意をむけさせるよう、フォロワーへの呼びかけも行われている。
9月16日、モスクワの複数の劇場もこのパフォーマンスに加わり、舞台が終わった後の俳優らの挨拶で、ウスチノフ被告への支援が呼び掛けられている。
検察の主張では、ウスチノフ被告はプーシキン広場で特別任務機動隊に拘束された際に抵抗し、これにより機動隊の職員アレクサンドル・リャギン氏が肩を脱臼している。9月16日、モスクワ市トヴェルスコイ地区裁判所はウスチノフ被告に3年半の矯正所生活を命じる判決を下した。
ロシアのペスコフ大統領報道官は、ウスチノフ被告の件について質問を受け、ロシア大統領府は裁判所の決定や裁判官の行動についてコメントすることはできないと考えていると答え、「特定の問題を究明したり、状況をつかむことは大統領の特権ではない。もう一度繰り返すが、裁判所の判決があり、その判決に対して上訴する法的権利がある」と述べた。
モスクワでは8月3日、モスクワ選挙管理委員会が市議会選に立候補した数人の反体制派の届け出を拒否したことに抗議して、無許可の集会が行われた(集会についての詳しい記事はこちらへ)。