中国は新たな艦艇を披露するのに日本の観艦式を利用した。「太原」は中国の最新の軍艦のひとつである。
052D型駆逐艦よりも新しいのは055型「重駆逐艦」(事実上、ミサイル巡洋艦)しかない。しかし、この型の艦艇は2019年初頭に就役し始めたばかりであり、中国海軍司令部はこの艦艇を国際イベントに参加させるのは時期尚早だと考えているようだ。052Dは多機能レーダーと複数の種類のミサイルを発射できる汎用型垂直発射装置を持ち、完全な多機能型武器システムを備えた中国初の艦艇である。
日本も近い能力の艦艇を複数保有しているが、それらはアメリカのイージスシステムと汎用型発射装置Mk-41を搭載している。それに対して、中国艦艇は独自で開発・建造されたものである。
日本の観艦式には中国以外にも、アメリカ、インド、オーストラリア、カナダ、シンガポールなどの国々の艦艇も参加した。しかし、日本は、今回初めて韓国を観艦式に招待しなかった。こうして、2018年に始まった日韓関係の急激な悪化の結果、パラドックスが生まれた。これまで日本政府の公式文書の中で何度も防衛面での懸念材料だと述べられ、日本の軍事計画の決定要素だと述べられてきた中国が海上自衛隊のイベントに招待され、日本と同様にアメリカの同盟国である韓国が観艦式に参加しなかったのだ。
近年、日中関係は安定化と緊張緩和の時期を迎えている。双方の敵対的レトリックは控えめなものとなり、首脳レベルやハイレベルでの政治対話が再開され、双方は経済・技術分野の幅広い問題について対話を成功させている。
しかし、根本にある矛盾は解消していない。日本は海空の防衛力強化を精力的に続けており、最近はさらに、2隻のヘリコプター搭載護衛艦を本格的な軽空母に改修することを決めた。
中国もまた、東シナ海で既存の海軍力を強化し、この海域で活発な軍事活動を継続させている。そのような中、日本と韓国の連携弱化は、中国政府が特に努力をした結果ではないものの、中国の外交政策にとって大きな幸運となっている。