安価なたんぱく源である犬肉は、中国や韓国、ベトナム、インドネシアなど、アジア諸国で現在も食べられている。
動物愛護団体「フォー・ポーズ」によると、年間200万~300万匹が食肉として処理されており、首都プノンペンには犬肉を提供する飲食店が100軒以上、古代遺跡群アンコールワットで有名な観光地シエムレアプにも同様の飲食店が20軒ほど並んでいる。
卸売業者はバイクで各地をめぐり、鍋などの調理器具と「不要な犬」を交換する。生きた犬は1キロ当たり2~3ドルの高値で売れるため、卸売業者はできる限り多くの犬を集めようとする。
病気に感染した犬が全国に出回る可能性があるため、専門家らは犬肉産業が公衆衛生に危機をもたらすと指摘する。その証拠に、カンボジアは世界でも狂犬病の発生率が高い。
犬が処理場に運ばれてくると、屠殺業者たちは犬を逆さまにつるしたり、ロープで絞め殺したり、頭をこん棒で殴ったり、悪臭を放つ水でいっぱいになった穴の中で溺死させたりする。
カンボジアでは衣料品工場の月給が200ドル未満なのに対し、犬肉の供給業者は750~1000ドルも稼ぐことができる。それでも業者の精神的苦痛は計り知れず、転職するものは後を絶たない。
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