問題なのは、動物に対する人間の態度
カブルイ氏は「もしあれが普通の塗料であれば、すぐに落ちていくでしょう」と指摘した。しかしもし塗料が落ちなければ、このホッキョクグマが食べ物を求めて狩りをするのは難しいだろう。全てが雪に覆われた自然の中では目立ってしまい、獲物がとれず、このホッキョクグマは飢えで死ぬかもしれない。
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カブルイ氏は、これは動物に対し、人間がどういう態度をとっているかという問題だと語る。
「この動画は、地元のハンターが送ってきたのです。先住民族のチュクチ人はホッキョクグマ狩りをしたいですし。動物保護活動家らは、彼らを密漁者と呼び、これに反対する立場をとっています。」
ところがカブルイ氏の見解はこれとは異なり、実際にはハンターの方が、ホッキョクグマの胴体にこんなことが書ける人よりも動物に敬意を表していると考えている。
カブルイ氏は、「1960年代には、チュクチ自治管区ウランゲリ島で研究者らがホッキョクグマの個体数を確認しようと、赤字で番号を書きこみました。また2019年にはロシアの列島ノヴァヤゼムリャの町にホッキョクグマの大群が押し寄せる騒動がありました」と、ホッキョクグマと人間の間に起きた出来事を振り返った。
2月9日、ノヴァヤゼムリャの人里にかつてないほどのホッキョクグマの大群が現れ、非常事態宣言が出された。当時、ホッキョクグマが人間を攻撃するなどの報告が寄せられた。
カブルイ氏は「ホッキョクグマの大群が人里に現れたノヴァヤゼムリャでは、ホッキョククマをトラップで捕えたり、人家に近づきすぎないようにする措置を行ったかもしれない。研究者らが対策をとったわけではないので、誰かがふざけてホッキョクグマの胴体に文字を書いたかもしれない」と指摘している。
おそらくこの説は当たっているのだろう。Т-34はソ連時代から人気の戦車であるため、車の窓やボディに「Т-34」の文字ステッカーを貼っている人は多い。
カブルイ氏は、生態学問題研究所、ロシア科学アカデミー、チュクチ自治管区ウランゲリ島の自然保護区に今回の件に関する照会状を送った。
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