研究者らは、グリーンランドの北東部にあるもっとも大きな氷の塊の1つを調査した。この氷の塊には、地表部分と海中部分が存在し、「氷の舌」と呼ばれている。また、この塊は温暖な大西洋の潮の流れに晒されている。
研究者らは、氷周辺の海底を広範囲に調査した。その結果、「氷の舌」の下部に2キロに渡る範囲で窪みが発見された。その窪みに沿って太西洋の温かい海水が氷に直接触れている。そのほか、窪みには、温温かい海水が高速で氷の舌の下部を流れることで段が形成されている。
この早い流れにより、太平洋の海水が単にその下部を流れるだけで氷に温かさが伝達することになる。より多くの氷が溶解すれば、氷の下部をより勢いよく海水が流れ、その結果、さらに氷の溶解が進むことになる。この数年来、氷の窪みの深さは拡大し、15メートルに達した。
他の氷の塊でも、研究者らはこうした経過を観測している。
以上のことから研究者らは、グリーンランドの氷の溶解は海底の様子が影響しているという結論を導き出している。