またエルドアン氏は、ロシアとトルコがイドリブの状況について合意するにはほど遠いが、協議は続けられていると指摘した。同氏はまた、トルコは自国の安全とイドリブの安全を確保することを目指しており、これに対してあらゆる代価を支払う用意があると強調した。
エルドアン氏は、イドリブで軍事作戦が実施された場合、トルコ空軍が参加するのかどうかについて記者から質問を受け、「いつでもイドリブで作戦を開始できるとすでに述べた。トルコはすべての軍事力を使用する」と述べた。
またエルドアン氏は、イドリブでのトルコの軍事作戦は時間の問題であり、イドリブに関するトルコの計画の実施に向けた準備はすでに完了していると指摘した。
エルドアン氏は「トルコは、イドリブをシリアのバシャル・アサド大統領政権の好きなようにはさせない」と述べた。
同氏はまた、米国がイドリブでの新たな軍事作戦の実施に関してトルコを支援する可能性も除外しなかった。
先に、トルコのアナドル通信社は、トルコがシリア北西部イドリブに装甲兵員輸送車と自走砲を積んだトラック150台を派遣したと報じた。
また先に、トルコのエルドアン大統領は、シリア軍がイドリブでの攻撃を止め、2月末までにトルコの観測所から撤退するよう、シリアのアサド大統領に圧力をかけることをロシアのプーチン大統領に要請したことを明らかにした。エルドアン大統領は、シリア軍が2月末までに撤退しなかった場合、軍事行動に踏み切ることを示唆した。
2017年5月、ロシア、イラン、トルコの3か国は、カザフスタンの首都アスタナで、シリア国内の4ヵ所に緊張緩和地帯を設置することで合意した。うち3ヵ所の地帯は、2018年にシリアの管理下に置かれた。イドリブ県及び隣接するラタキア、ハマ、アレッポ 3 県の一部にある4カ所目の地域は、今もシリア政府の管理下になく、その大部分は、ロシアで活動が禁止されているテロ組織「ジハード・アン=ヌスラ」に掌握されている。
ロシア南部ソチで2018年9月、ロシアとトルコは、10以上の様々な組織が存在するイドリブ県に非武装地帯を設置することで合意した。