ブルンス氏によると、がんの影響を受けたT細胞を患者から採取し、薬剤によってT細胞をがん治療に必要な状態にする。そのT細胞を患者の病変部位に注入すると、T細胞はがんと闘うようになる。
この免疫療法の有効性は血液がんの治療で証明されている。ブルンス氏によると、この療法の主眼は、がんからの回復率を高めるためというよりも、これまで治すのが難しいと考えられていた悪性リンパ腫などの腫瘍疾患を治療することにあるという。
悪性リンパ腫の腫瘍疾患の患者は、これまで長期に及ぶ化学療法に体が耐えることができなかった。しかしブルンス氏は、薬剤によって正常化されたT細胞を使う治療法は迅速かつ外傷性も少ないため、患者には治癒できるチャンスがあると断言する。