裁判では、国が大きな津波を予測できたか、また東京電力がこれまで支払った慰謝料の額が適正だったかなどが争われた。
10日の判決で札幌地裁の武藤貴明裁判長は「政府の地震調査研究推進本部が地震の長期評価を公表した2012年の時点で、国は津波の到来を予測することができた。その後、防波堤の設置や非常電源の浸水対策などを東電に命じていれば原発事故は避けられた」と指摘。
そのうえで国と東電に対し、原告のうち89人に総額5290万円余りを賠償するよう命じた。
福島原発事故の避難者が国と東電を相手に起こした集団訴訟の判決はこれで11件目。1審で国の責任が認められたのは7件目となる。