国家建設委員会は3日、議会に対し、プーチン大統領によって提案された憲法改正案の中の、領土割譲につながるような動きを禁止することを含む、国家の領土的一体性を支持するように呼びかけた。
基本的条項の第67条に文言を追加することが提案されている。その文はロシア連邦は「自国の主権と領土的一体性を保障する」となっており、それにあたっては「ロシア連邦の領土割譲に向けた行動(ロシア連邦と隣接する国家との国境画定合意や国境画定作業、国境画定作業のやり直しを除外する)およびそうした行動を呼び起こすような行為は容認されるものではない」とされている。
プーチン大統領のリアクションは肯定的なものだった。「ともかくも、いくつかの問題について、パートナー国との対話が行なわれているが、アイデア自体は気に入った」と述べ、然るべき形で案をまとめるよう指示した。
しかしその後、プーチン大統領は、ロシア外務省の国境画定に関する仕事を邪魔しない形で、領土割譲禁止に関する改正案をまとめるように指示した。
プーチン大統領は憲法改正作業部会との会談において「領土割譲に関しては、前回言ったように、その提案に完全に賛成だ。問題は、それが、ロシア外務省が国境画定についての仕事を進めるのを邪魔しない形でのまとめ方を見つけることだけだ」と発言。そして、このような仕事は、ほとんどいつも、多くの国々との間で行なわれていると付け加えた。
もちろん、改正案の中には、あらゆる分離主義、国外からを含む分離主義の推進の禁止がうたわれている。
外務省が国家間レベルで行なっている国境画定の公式的な対話は継続することになるだろう。プーチン氏自身もこれについて言及している。これを求めているのはロシア国境に関する法律だ。国家間での対話の結果を無視することは難しい。特に、露日の首脳が重ねてきた会談ならなおさらだ。このように、南クリルの運命というコンテクストで、露日間の平和条約交渉の可能性は保たれることになる。
憲法改正が交渉の中身に影響するのか、ということはまた別の問題である。これら交渉は、単なる国境線の協議にすぎないかもしれず、実りある結果が期待できるかというと、以前と同じく、可能性は薄い。
ともかくも、交渉は続いていく。
ロシアにとって日本との交渉は、ロシアを世界から孤立させようとしている動きに対する抑制のデモンストレーションであり、日米安全保障条約を南クリルに適用させないという問題を協議することによって、米国を動揺させたいという試みである。
また、日本としても、露中の戦略的パートナーシップに水をさす露日接近のパースペクティブを見せることで、中国を刺激することに関心があるのだろう。