調査を行った研究者らは6000億トンという数値がいかに大きいかを示すためにこんな比較を試みている。例えば人口過密のロサンゼルス。人口1000万人を超えるロサンゼルスが1年間に使う淡水の量が10億トンだという。
つまり、わずか2か月でグリーンランドの氷河が海洋に溶けだした水の量は、メガロポリスが600年間で使用する淡水の量に等しい。
グリーンランド以外の状況は?
研究の結果、南極でも特に西南極で大量の氷が失われている事実が明らかにされた。ところがこれに対して東南極では積雪量が増えているために氷河は拡大しており、これが南極大陸全体で失われる氷の量を多少補填している。
太陽光を反射する氷が減るにつれ、氷が溶けて現れる地表はさらに多くの熱を吸収し、氷の溶解スピードをより高速化させてしまう。研究者が何よりも恐れているのはこの悪循環だ。
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