ウクライナの元原子力関係者 大統領宛の書簡で「次なるチェルノブイリの脅威」を警告

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ウクライナの原子力エネルギーと産業の元関係者らでつくる協会は、同国の原子力分野における脅威的な状況と「次なるチェルノブイリ」が起きる危険性をウクライナの指導者らに宛てた書簡で警告した。ウクライナ独立通信社が報じた。

書簡の発信者は、ウラジーミル・ブロニコフ氏(ウクライナのザポリージャ原子力発電所の元所長)、ゲオルギー・コプチンスキー氏(ロシアのスモレンスク原子力発電所の元所長)、ウラジーミル・コロブニク氏(ウクライナのリウネ原子力発電所の元所長)、ニコライ・シュテインベルク氏(チェルノブイリ原子力発電所の元主任技術者、ウクライナ原子力規制監督局の元局長)ら。

ウクライナのゼレンスキー大統領、シュミハリ首相、ラズムコフ最高会議議長宛のこの書簡では、「ウクライナの原子力エネルギー部門に脅威的な状況が生じている」と述べられている。

書簡の発信者らによると、ウクライナの電力供給大手の国立原子力発電会社「エネルゴアトム」には、仕事をする上で必要な許可を有する常任の責任者がいない。

このため、法的には誰もウクライナの原子力発電所の安全に責任を負っていないという。書簡の発信者らは「まさかチェルノブイリ(の経験)では足りず、私たちはまた同じことを繰り返そうとしているのか?」と問いかけている。

さらに発信者らは、「エネルゴアトム」では安全な操業と核燃料調達のための財源不足が深刻化していると指摘し、「原発の強制停止が何をもたらすのか、国の指導者は分かっているのか」と問いを投げかけている。

チェルノブイリ立ち入り禁止区域 森林火災 - Sputnik 日本
チェルノブイリ立ち入り禁止区域から住民が避難 森林火災で
また発信者らは、原子力分野にゆかりがない人たちを「エネルゴアトム」の経営陣に入れようとする試みが続いている点を指摘し、書簡で国の指導者らに「これらは全て国際的な原子力安全体制への重大な違反であることをあなた方は理解しているのか?」と問いかけている。

発信者らはこのような行為を停止し、「次なるチェルノブイリに向かって国が滑り落ちていくのを止める」よう要求した。


4日、チェルノブイリ原発の立入禁止区域で森林火災が発生した。4日の時点で焼失面積は20ヘクタールだったが、7日には35ヘクタールに広がった。4月9日の情報によると、立ち入り禁止区域では消火活動が続けられている。

ウクライナの警察は5日、火災発生に関与した疑いのある男の身元を特定した。

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