同研究所は、世界中の感染者から採取された新型コロナウイルスのゲノム情報を解析。その結果、ウイルスが宿主の細胞表面に接着するスパイクタンパク質の変異種14株を特定した。その中でも欧州で大きな被害をもたらしたD614Gは、世界で最も優位的なウイルス株になっていることが判明した。
このスパイクタンパク質はワクチンの重要なターゲット。しかし、もし新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと違って夏まで蔓延が続けば、変異種が新たに現れる可能性は高い。そのため研究者らは、新たな変異種の出現がワクチン開発に大きな影響を与えることになると警告している。
同研究所の計算生物学者、ベット・コーバー氏は「これは難しいニュースだ」と前置きしつつ、同氏の研究グループがこの論文を発表できたのは、全世界がこのウイルスに対処しようと力を尽くし、変異種のゲノム配列を可能な限り迅速に提供しているからだと指摘。さらに論文で研究者らは、世界中ですでに100種類以上のワクチンの開発が進んでいることにも言及している。
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