EUがロシアの野党指導者ナワリヌイ氏の体調急変について透明性ある調査を要求

© AP Photo / Virginia Mayoジョセップ・ボレル
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ロシアの野党で主要な指導者として知られるアレクセイ・ナワリヌイ氏が国内線の機内で毒物を盛られたとの説が持ち上がる中、欧州連合(EU)はロシア政府に対し、透明性のある調査を速やかに進めるよう要請している。ジョセップ・ボレル・ フォンテジェスEU外務・安全保障政策上級代表が発表した声明で明らかになった。

ボレルEU上級代表の声明には、「ロシア政府が独立性と透明性を持った調査を早急に進めることが重要」と記されている。ボレルEU上級代表によれば、事実を知りたい人はロシアを含め、世界中にいるという。

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声明の中でボレルEU上級代表は「ベルリンのシャリテ大学病院が発表した暫定の分析結果によれば、アレクセイ・ナワリヌイ氏は毒を盛られたといえる」と記し、ナワリヌイ氏の治療にあたる病院スタッフに謝意を表するとともに、患者の健康回復を願った。

シャリテ大学病院での分析結果によると、ナワリヌイ氏からは「コリンエステラーゼ」の阻害剤による中毒症状が確認されたという。具体的な物質名についてはまだ特定できていない。病院側は他の毒物による中毒の可能性もあると見て、分析を継続している。なお、ナワリヌイ氏はいまだ昏睡状態にあるものの、命に別状はないという。

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ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏は20日に中毒症状で病院に搬送された。ナワリヌイ氏はシベリア西部トムスク発モスクワ行きの飛行機に搭乗していたが、同氏の体調急変に伴い西シベリアのオムスクに緊急着陸した。ナワリヌイ氏は現地の第1救急病院に搬送され、意識不明の重体と報じられていた。

その後、病院で行われた尿検査でナワリヌイ氏から毒物は検出されなかったとの発表があった。病院側は体調の急変について、血糖値の急激な低下によるものと診断している。

これに対し、ナワリヌイ氏が率いる非営利団体「反汚職基金」の広報担当者、キ ラ・ヤルミシュ氏は同氏が朝から紅茶しか飲んでいなかったことを指摘し、紅茶になんらかの毒物が混入されたとの見方を示している

こうした中、ベルリンのNGO団体「シネマ・フォー・ピース財団」がナワリヌイ氏の国外転院を提案した。親族が申し出に同意したことから、ナワリヌイ氏は現地時間で22日朝にドイツのシャリテ大学病院に搬送された。シネマ・フォー・ピース財団によれば、ナワリヌイ氏の体調に異変はなかったという。

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