ナショナル・インタレスト誌 北極での米国の「深夜の悪夢」

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北極探検のためカラ海を航行するロシアの原子力砕氷船(2015年6月) - Sputnik 日本
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北極での米国の利益に対して露中共同の課題の展望は「深夜の悪夢」であるが、米国政府はそれらに対抗する準備がまったくできていない。ナショナル・インタレスト誌の専門家マイケル・ライオンズ氏がこうした見解を明らかにした。 

同氏は、「北極は米国の政治家らがあまり関心を寄せていない地域だが、しかし、この地域は世界の強国の政治上では鍵となる役割を担っている」と強調した。同氏によれば、気候変動からこの地域では新たな経済的可能性が広がっていることから、世界の大国はこの地での自らの優位性をますます主張している。

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ライオンズ氏は、「米国の戦略家にとって不幸なことに、米国政府はライバルからかなりの遅れを取っている」と指摘。同氏は、米国沿岸警備隊は、中国と同様に、砕氷船がわずか2船しか管理していないが、一方でロシア艦隊にはこうしたタイプの船が少なくとも40隻あり、2035年に向けさらに原子力砕氷船13隻が用意されると強調した。

また、同氏は、2018年に中国は極地国家であると宣言し、「北極シルクロード」のイニシアチブの実現に向け準備を開始したと指摘した。ライオンズ氏によれば、すでに現在、中国政府は北極評議会のオブザーバーの地位を得ており、同地域でロシアと協力しながら、「相対的に独占的」なゲームで主要なプレイヤーとなる意欲を明確に示している。

ライオンズ氏は、「北極でロシアのようなライバルに対立することは多くの課題を浮き彫りにするが、しかし、北極での米国の利益に対して露中共同の課題の展望は、潜在的なテクノスリラーや深夜の悪夢であり、それらに対抗する準備が米国にはまったくできていない」と強調した。

また同氏は北極を定義して、「 戦略的勢力争いにとっての潜在的な回廊」や「 大国間の勢力争いが拡大しうる潜在的な空間」 というだけにはとどまらないと述べた。

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