訃報を表したのはブラウンさんのパートナーのティム・ヘフゲンさん。「ティモシーは5か月にわたる白血病との闘病の挙句、私と友人たちに囲まれ、息を引き取りました。大きな悲しみを抱えながらお伝えします。」
ブラウンさんはベルリンに留学していた1995年にHIVに感染したことから、実名を公表するまで通称「ベルリンの患者」で知られていた。2007年、白血病治療のために受けた骨髄移植が同時にHIVウイルスの克服に功を奏し、完治。この手術はHIV患者の治癒に成功した、世界初の例となった。術後、ブラウンさんにはHIV感染の兆候は一切見られなかったが、2019年に白血病が再発。最後の日々をブラウンさんはカリフォルニアのホスピスで過ごしていた。
2020年3月、HIV患者の2番目の完治例が報告された。ニューヨークタイムズ紙によれば、完治したのは「ロンドンの患者」こと、ベネズエラ出身のアダム・カスチリエホさん(40)。カスチリエホさんは2003年にHIVが発症し、2012年には悪性のホジキンリンパ腫と診断された。カスチリエホさんもブラウンさんと同様の骨髄移植手術が行われ、その結果、HIVの完治が確認された。
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