研究者らは食材の選択における消費行動を調べ、それにどう影響を及ぼし、ヨーロッパ人の購入する肉を何で代用できるかについて予測を立てた。
肉製品には独特の「肉の味」がある。これは日本人が発見した「うま味」成分で、グルタミン酸塩によって構成されており、ヒトの舌にはこれをキャッチする受容体がある。「うま味」成分は、おいしいと思わせる味を強化する添加物として 食品メーカーに利用されてきた。
このうま味成分だが、実はくるみ、ブロッコリー、トマト、キノコ、ほうれん草などの野菜類にも含まれている。
研究を率いたオレ・G・マウリツセン教授は「多くの人が一心に味わいたいと求めるのは『うま味』にすぎない」と指摘している。
研究者らは、海産物の中から大きな蓄えを有す再生可能資源で、今まで十分に活用されてこなかったタンパク質と脂肪酸の代用物を探すよう提案している。この研究の試算ではキビナゴのようなニシン科の小魚を用いた場合、デンマークのたんぱく質の需要の20%をカバーできることがわかった。
マウリツセン教授は、キビナゴの捕獲で「タラ、カレイ、サーモンといったより有名な魚の度を越した消費を避けることができる」と説明している。
キビナゴ以外にタンパク質の代用として挙げられているのはイカナゴ、ハゼ科のゴビー、海藻、頭足類など。
研究者らの指摘によれば、海藻には栄養成分、ビタミンが豊富に含まれているにもかかわらず、今日食されているのは1万種の中のわずか500種にすぎない。同じことは頭足類にも当てはまり、世界では800種のうち30種ほどしか食されていない。