軍用犬は、地雷やその他の危険物発見の手助けをする訓練を受けているが、通常、犬に対しては、兵士が絶えず指示を与えなければならない。これまでは手による合図や音声シグナル、レーザーポイントなどを使って指示が出されてきた。しかし犬に指示を与えるには、兵士が近くにいなければならない。
開発されているARゴーグルは、軍用犬も、また指示を出すハンドラーも危険に晒すことなく、与えられた任務を遂行することを目的としている。米国の軍用犬研究者は、このゴーグルをつけることにより、ハンドラーが軍用犬のそばにいる必要性はなくなると明言する。またハンドラーは、完全に安全な状態で、軍用犬の見ているものすべてを見ることができる。
ARシステムは、紫外線や飛散する破片、草や雪から犬を保護することができる「Rex Specs」のゴーグルに装備されている。また無線機が取り付けられており、犬は指示を視覚だけでなく、聴覚でも捉えることができる。
現時点では、ゴーグルは有線で、軍用犬が自由に移動することはできないが、2年かけてこれを無線化する計画だという。