しかしこの度、米国とカナダの研究者らが、この謎を解き明かすのに成功した。天の川銀河とより小さな銀河との横からの衝突を数値シミュレーションすることにより、研究者らは他でもないこの時の衝突こそが、おとめ座周辺の星の密集を引き起こしたとの結論を導き出した。また研究者らは、この塊の中で星が「正しくない」動きをしていることについても説明した。
数値シミュレーションによって、矮小銀河は高速で天の川銀河に衝突すると、まずその中心部を突き抜け、バラバラになり、湾曲した傘のような星の軌跡を残したことが分かった。そしてその後、散り散りになった銀河は、互いの重力によって天の川の中心に引き寄せられ、その中に紛れた星が描く弧状の軌跡は反対側に湾曲した。つまり、異なる速度で、異なる方向で移動するおとめ座の星は、2度にわたりバラバラに引き裂かれた矮小銀河の残骸である。それぞれの破裂の場所で様々な方向に飛んでいく星の動きによって傘のように歪んだ平面が形成されたのである。
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