肺にプラスチック粒子が入る 3Dプリンターはなぜ危険か

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3Dプリンター - Sputnik 日本
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3Dプリンターに関して行われた学術研究で一度に複数の報告書が人体への危険性を指摘した。フォーブス誌が報じた。報告では、プリンター作動中には周辺の空気の質に影響が出るほか、人間の肺の健康状態に危害を及ぼす可能性が示されている。

この研究は研究協会The Society for Risk Analysisが12月15日に行った行事の中で発表された。 3Dプリンターはプラスチックやその他、金属や熱可塑性樹脂などベースとなる材料を溶かし、これを用いて作りたいオブジェを印刷していく。このプラスチックを溶かす際に、プリンターの周辺に直接的に合成物の飛沫が放出されてしまう。

その結果、化学的な副産物はプリンターの隣にいる人間の肺に入り込むこともありうる。

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研究者らは9歳以下の児童にとってはこうした飛沫は特に危険となりかねないと指摘している。化学成分の飛沫が有害となるのは大人の肺も同じだ。

この研究はまだ始まったばかりなため、研究者らは3Dプリンターの周囲の空気中にどれくらいのプラスチック粒子があった場合、人体に危害を及ぼしうるのか、これから解明しなければいけない。このような機械が人体に有害となりうるという説が唱えられたのはこれが初めてではない。

たとえば2019年、3Dプリンターに用いられるABS樹脂の粒子が人体に入った場合、細胞の活力に否定的な影響を及ぼし、積極的な有毒反応を起こすという報告が行われている。

実験を率いた米ジョージア工科大学のロドニー・ウェーバー教授は、「有毒テストでこれら(ABS樹脂ファイバー)の粒子の作用が、やがて自動車の排気ガスやその他の排出物で汚れた都市環境の大気と同様に有害となりうることが示された」と語っている。

研究者らは、3Dプリンターを用いた作業におけるリスクを下げるための提言をいくつか行っている。プリンターのスイッチを入れる際は室内をよく換気すること。材料の融解温度を最低にセットすること。印刷の最中にはプリンターの近くにはいない。高品質で適切な検査を通過したプラスチックのみを使用すること。

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