月面は現在、約80基の探査機の墓場となっており、NASAが2009年に打上げた月周回衛星「ルナ-・リコネサンス・オービター(LRO)」のみが現役で活躍する。LRO内にある水氷探知機2台のうち1つはロシア製の中性子検出器(The Lunar Exploration Neutron Detector; LEND)だ。
ロシアの研究者が行った遠隔調査では、月の南極付近、つまりボグスラフスキー火口の北に十分な水と氷の資源があることがわかっている。「ルナ25」は今年10月にまさにその場所に向けて出発し、遠隔観察の結果がどれほど正しかったかを現地で確認する。月探査機「ルナ25」はガンマ線・活性中性子分析器「アドロンLR」を搭載。深さ最大1メートルに送った中性子パルスを基に土壌組成を分析し、様々な化学元素の質量分率を決定する。もし水があれば「アドロンLR」により発見される。
中性子分析器の信頼できるアシスタントとなるのがバケットと土壌採取装置を備えたロボットマニプレーターだ。ロボットは月の土壌を採取し、レーザー式イオン質量分析計の表面のくぼみに置く。強力なパルスの作用で月の土壌サンプルはプラズマに変わり、分析計が水・氷の痕跡を含む化学組成を決定する。
スプートニク通信ではこれより前、ロシア国営宇宙企業「ロスコスモス」がソ米のいわゆる「月開発競争」文書の機密を解除したことを取り上げた。