エッフェル塔の建設後、設計者であるギュスターヴ・エッフェル氏は、建物の保存のため7年毎に新たに塗装するよう推奨していた。そのためエッフェル塔は建設以来、19回塗り替え作業が行なわれている。黄色と赤茶色、黄土色で塗装されたエッフェル塔は国民のシンボルとなった。ブロンズを想起させる今日の同塔の色調は1968年に承認がされたもので、「エッフェル塔ブラウン」と呼ばれ、独特の色合いを醸す出す世界で唯一の塔となった。今後、2024年の五輪開催にあたり、フランス国民のシンボルは、フランスの1つ目の金メダル獲得という意味を込めて、金色に塗装されることが決定した。
新しい塗料によるエッフェル塔の塗装にはペンキ60トンと刷毛1500本が消費され、パリ市民の頭上に何かが落ちることのないよう、建築用防護ネットが2ヘクタール使用される。これまで同塔から塗料が完全に除去されたことはなく、毎回の塗装の結果、エッフェル塔には古い塗料の層が約350トン超堆積している。負担を避けるため、最低でもエッフェル塔上部の30%は完全に古い塗料の除去を行なう必要がある。
これまでの塗料の層には、以前から人体に有害な鉛が含まれていると報じられていた。しかし、今まさに、先例のない大量の塗料を作業員らが除去しなければならなくなったことで、鉛中毒の問題に特別な対処が必要となっている。エッフェル塔の作業を行なう企業が鉛のレベルを完全に管理し、塗料除去と塗装を行なう熟練作業員の保護が100%保障されるとパリ当局が確信するまでは、作業は中止されることとなる。
この間、通信社「スプートニク」は、エッフェル塔の大規模な修繕の準備状況について報じている。