5日、米議会上院の反トラスト小委員会で行われた公聴会では、音楽ストリーミングサービスのスポティファイ、スマートトラッカー大手のタイル、マッチングアプリを手がけるマッチなど、大手企業と対立する企業の幹部がこれらの企業に対する自らの不満を述べた。各社幹部らは、グーグルおよびアップルがアップストアで高額な手数料の支払いを求めていること、またアップルが模倣品をリリースしたことを非難した。
公聴会はアップルが紛失防止アクセサリー「エアタグ」を発表した翌日に行われた。これはアップル端末などの位置情報を調べるアプリ「ファインド・ミー」を使って、エアタグの現在位置を追跡するものである。「エアタグ」は、サムスン電子のブルートゥーストラッカー「スマートタグ」と10年前に開発されたタイルの探し物トラッカーの完全な模倣品だとされている。これに対しアップルは、アプリ「ファインド・ミー」は、タイルのトラッカーが作られる前の2010年にリリースされたと主張している。
反トラスト小委員会のエイミー・クロブシャー委員長は、アップルとグーグルは自社製品と競争力を持つアプリを圧迫するため、権力を利用していると指摘。アプリはアップルとグーグルのプラットフォームを持った消費者しか使用できず、彼らだけが所有していると述べた。
またスポティファイやマッチングアプリ「ティンダー」を運営するマッチなど、他の会社の代表も、アップルがアプリを通じて得た収益の最大30%までの手数料を支払うよう求めていることについて非難した。これに対してアップルは、手数料は安全を守るためのものだと主張した。2020年、エピックゲームズは、アップストアが徴収する30%の手数料をめぐって、「手数料抗争」を始めた。これを受けてアップルはアップストアからエピックゲームズの「フォートナイト」を削除した。