植山氏は記者会見で「コロナとの闘いに世界中の人がいま全力を尽くさないといけない時に背を向ける動きがある。残念ながら、東京オリンピックはそのようなコロナとの闘いを妨害することになりかねない。コロナとの闘いに勝利するためにはこのような動きを止める必要がある」と述べ、「しかし独裁者のような振る舞いをする一部の人は、犠牲が起きることも仕方がないと言って、東京オリンピックを強行しようとしている。これはウイルスと人間の戦いというよりは、人間と人間の戦いですから国際社会がこれを止める必要がある」と話した。
また植山氏は、何よりも危機感を持っているのは変異株の問題だとし、「オリンピックの開催は約200の国々から数万人の人々が東京に集まる。いろんな変異株が東京に集中する非常に危険な大会になりかねない。南アフリカ株やインド株がオリンピックを通じて世界に広がる可能性がある。また全く新しい変異株が新たにできる可能性も否定できない。特にワクチンの効果を著しく下げるようなウイルスや、子どもへの感染が容易になるようなウイルスが現れれば、これは日本国内の問題というより、世界人類の問題になる。そのような事態が起きれば、『東京オリンピック株』と呼ばれて、この先100年にわたって、(東京オリンピックは)人類の大きな愚行であったと非難されることになるだろう」と述べた。
続けて植山氏は、東京オリンピックは東日本大震災からの「復興五輪」だと当初言われていたが、「東京オリンピック自体がウイルスの新たな災害を生むことになりかねない」と懸念を示した。
「全国医師ユニオン」は13日、東京オリンピック・パラリンピックの中止を求める要請書を日本政府に提出した。