研究者らは、コロナウイルスで死亡した成人患者の耳下腺、顎下腺、舌下腺と3種類の唾液腺からサンプルを収集し、分析したところ、唾液の生成、分泌を行う組織が感染のための「貯蔵庫」の役目を果たしていることが判明した。電子顕微鏡で見ると唾液腺には病原体だけでなく、組織の中にはその複製まで存在していることがわかった。
「今までは、ヘルペスのように感染拡大を招くウイルスだけが唾液腺を貯蔵庫として使っていると思われてきた。ところが我々の調査は、 SARS-CoV-2がなぜここまで高い感染率を持っているのかを解明する鍵となりうるものだ」調査チームの一員、ブルーノ・フェルナンデス・マトゥク氏はこう語っている。
現在、コロナウイルスの感染経路は鼻腔とされているものの、この研究を基に人体に潜入する直接的な経路が口腔である可能性が探られることになっている。
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