夏の初めは希望の持てるものだった。新型コロナウイルスの感染者数は減少し、ワクチン接種者はEU及び米国で増加した。EUは米国からの入域制限を解除し、ワクチン接種を受けた観光客は、「パンデミック後」初の旅行にウキウキした気持ちで出発した。
しかし、それから約3カ月が経過した今、状況はもはやそれほど希望に満ちてはいない。ワシントン・ポストによると、米国は大半の欧州諸国からの入国を禁じているトランプ政権時代の規制の解除を急いではおらず、EUは米国のコロナ感染者急増を受けて米国からの渡航者に対して再び入域制限を導入する可能性を検討している。
EUの勧告によると、EUの「安全な国」リストに入るには、過去14日間の人口10万人あたりの新規感染者数が75人を下回らなければならない。しかし米国の数値はこれよりはるかに高い。欧州疾病予防管理センターの最新データによると、米国では人口10万人あたりの感染者数が約270人となっている。
欧州連合理事会は、「コロナをめぐる状況が深刻化」している米国を含む国々を引き続き監視すると発表した。また、ワシントン・ポストの情報筋によると、今後2週間で状況が改善しない場合、EUは米国を「安全な国」リストから除外する可能性があるという。
ワシントン・ポストは「これによりワクチン未接種者の入国が禁止される可能性がある。EU加盟国は、渡航者のワクチン接種状況に関係なく入域が一時的に停止される『緊急中断』と呼ばれるものを承認する可能性もある」と報じている。
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