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愛と憎しみは紙一重:フィギュアスケート世界選手権へのロシア出場禁止を世界はどう受け止めたか
愛と憎しみは紙一重:フィギュアスケート世界選手権へのロシア出場禁止を世界はどう受け止めたか
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... 2022年3月22日, Sputnik 日本
2022-03-22T07:40+0900
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今シーズンはじめから、先を争うように専門家らは、今回の女子シングルに関しては、過去数年のような筋書きは存在しないと述べている。カミラ・ワリエワは、次々と勝利を重ね、12月のロシア選手権の代表選考会には、ショートプログラムとフリープログラム、総合得点のすべてで世界記録を打ち立てた選手としてリンクに登場した。しかし、国内選手権やタリンでの欧州選手権、北京五輪団体戦で勝ち取られた彼女の勝利の経歴は、ドーピング問題により途切れることになり、大きな挫折を経験することとなった。五輪の個人種目では、チームメイトのアンナ・シェルバコワ(金)、アレクサンドラ・トルソワ(銀)、坂本花織(銅)に次ぐ4位に終わった。ISUがロシア選手を国際大会から排除:公平または差別?ウクライナでのロシアの特殊軍事作戦の開始後、国際スケート連盟(ISU)は、ロシアとベラルーシの選手を大会から排除することを決定した。ロシアの選手およびコーチらは、この決定を差別だと指摘した。さらに、ノルウェー人選手でアスリート委員会副代表のオイヴィント・ワタンデル氏が、ロシア人選手の出場停止処分に納得がいかないとし、自国の五輪委員会の役を辞任するという決断をしたことには驚かされた。ワタンデル氏は自身の考えについて次のように語った。「ロシアとベラルーシの選手の大会出場を禁止するというノルウェー五輪委員会のアピールが辞任を決意させました。この決定は、私の価値観やスポーツのあり方に関するビジョンとはまったく対照的です。 こうした対応に同調したくはないので、辞任することにしました」同氏は理事会を去ったが、アスリート委員会には残った(ただし2023年の任期満了をもって退任を予定)。「これが何かにつながるとは思っていません。これは自分の良心のためであり、ロシア人の仲間を守り、彼らの目をまともに見ることができるようにするためなのです」ロシアメディアのインタビューにオイヴィント・ワタンデル氏は、次のように詳しく語った。「出場停止というのは、どんなアスリートにとっても最悪の状況です。観客は私たちが演じられるようにするためにチケット代を払ってくれるのであり、私たちは自分の技術を披露しなければなりません。しかし、実行委員会の多くの人は政治家のように振る舞っています。私はアスリートを代表しているのです。私はノルウェーの五輪委員会がこうした決定を下したことに反対を表明したかった。私はどの国の選手であろうと排除することには賛同しません。この判断は正しかったとする好反応をたくさん頂いています」米国のアンドリュー・ヤング前国連大使も、ロシア選手の国際大会出場停止処分は間違っていると指摘した。「これは間違っています。ロシアの全選手が排除されたのは、誰もこの責任を取ろうとしていないからに他なりません。これはロシアのためにならないし、ロシアを弱体化させる...。一度立ち止まって、最初からすべてやり直しましょう。そして、平和のために努力しましょう」米国のフィギュアスケートコーチ、トム・ザカライセック氏は、ロシア人選手に対する制裁は、「まったく適切と思います。論理的に何か別の選択肢があったとは考えられません」とコメントした。昨日は熱狂、今日は罵倒? 日本のファンは排除を支持ロシアや欧州の専門家の反応は予想通りだったが、日本のフィギュアスケートファンの意見は2つに分かれた。ある人はスポーツと政治はあまり関係がないと指摘する。「ロシアは全てのカテゴリーでフィギュアスケートの強豪国。魅力的なスケーターがたくさんいる」「経済制裁やスポーツ大会からロシア選手を排除することは、罪のないロシア国民にとっては直接的なダメージとなるが、プーチンが直接ダメージを受けることはない」「国と個人が違うことは分かっているし、ロシアのメドベージェワ選手など戦争反対のメッセージを寄せている選手もいます。でも今回の件はドーピングとは比較できないほど大きな出来事ですし、過去の経緯を見てもロシアという国は、国家ぐるみでアスリートの育成を行っています。このような措置は致し方ないように思います」「ただ個人的にはスポーツや文化の世界での制裁は気の毒で、ロシアの文化まで否定してしまうような、行き過ぎた圧力にならないように考慮して欲しい。ロシアには優れた芸術家やアーティスト、アスリートがいっぱいいる。彼ら個人への攻撃はあってはならないし、今後も応援していきたい。国への制裁は当然民間人にもダメージがおよぶが、個人を責めることにならないよう、それだけは注意したい。ロシアという国は脅威だが、ロシア人はとても素敵な人たちだ。それだけは忘れてはならない」出場禁止は正しい措置だと考える人もいる。「今は可能な限り、あらゆる手段でロシアに強い制裁を課すことが重要だ」「ISUの副会長アレクサンドル・ラケルニク氏がロシア人なので、もしかするとロシア人選手の国際大会への出場を認めるかも…と思っていたから、ISU理事会の決定には驚いた」
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愛と憎しみは紙一重:フィギュアスケート世界選手権へのロシア出場禁止を世界はどう受け止めたか
2022年3月22日, 07:40 (更新: 2022年4月27日, 22:56) 3月23日、モンペリエ(フランス)でフィギュアスケートの世界選手権が開催されるが、今回、ロシアとベラルーシの選手は出場しない。皮肉なことに、今大会は女子シングルからスタートするが、この数年、この種目はロシア選手が首位を独占している。フィギュアスケートの世界の強豪国の1つが出場禁止となったことを専門家やファン、選手自身がどう受け止めているか、通信社スプートニクの記事を一読ください。
今シーズンはじめから、先を争うように専門家らは、今回の女子シングルに関しては、
過去数年のような筋書きは存在しないと述べている。カミラ・ワリエワは、次々と勝利を重ね、12月のロシア選手権の代表選考会には、ショートプログラムとフリープログラム、総合得点のすべてで世界記録を打ち立てた選手としてリンクに登場した。しかし、国内選手権やタリンでの欧州選手権、北京五輪団体戦で勝ち取られた彼女の勝利の経歴は、
ドーピング問題により途切れることになり、大きな挫折を経験することとなった。五輪の個人種目では、チームメイトのアンナ・シェルバコワ(金)、アレクサンドラ・トルソワ(銀)、坂本花織(銅)に次ぐ4位に終わった。
ISUがロシア選手を国際大会から排除:公平または差別?
ウクライナでのロシアの特殊軍事作戦の開始後、国際スケート連盟(ISU)は、ロシアとベラルーシの選手を大会から排除することを決定した。
ロシアの選手およびコーチらは、この決定を
差別だと指摘した。
さらに、ノルウェー人選手でアスリート委員会副代表のオイヴィント・ワタンデル氏が、ロシア人選手の出場停止処分に納得がいかないとし、自国の五輪委員会の役を辞任するという決断をしたことには驚かされた。ワタンデル氏は自身の考えについて次のように語った。
「ロシアとベラルーシの選手の大会出場を禁止するというノルウェー五輪委員会のアピールが辞任を決意させました。この決定は、私の価値観やスポーツのあり方に関するビジョンとはまったく対照的です。 こうした対応に同調したくはないので、辞任することにしました」
同氏は理事会を去ったが、アスリート委員会には残った(ただし2023年の任期満了をもって退任を予定)。
「これが何かにつながるとは思っていません。これは自分の良心のためであり、ロシア人の仲間を守り、彼らの目をまともに見ることができるようにするためなのです」
ロシアメディアのインタビューにオイヴィント・ワタンデル氏は、次のように詳しく語った。
「出場停止というのは、どんなアスリートにとっても最悪の状況です。観客は私たちが演じられるようにするためにチケット代を払ってくれるのであり、私たちは自分の技術を披露しなければなりません。しかし、実行委員会の多くの人は政治家のように振る舞っています。私はアスリートを代表しているのです。私はノルウェーの五輪委員会がこうした決定を下したことに反対を表明したかった。私はどの国の選手であろうと排除することには賛同しません。この判断は正しかったとする好反応をたくさん頂いています」
米国のアンドリュー・ヤング前国連大使も、ロシア選手の国際大会出場停止処分は間違っていると指摘した。「これは間違っています。ロシアの全選手が排除されたのは、誰もこの責任を取ろうとしていないからに他なりません。これはロシアのためにならないし、ロシアを弱体化させる...。一度立ち止まって、最初からすべてやり直しましょう。そして、平和のために努力しましょう」
米国のフィギュアスケートコーチ、トム・ザカライセック氏は、ロシア人選手に対する制裁は、「まったく適切と思います。論理的に何か別の選択肢があったとは考えられません」とコメントした。
昨日は熱狂、今日は罵倒? 日本のファンは排除を支持
ロシアや欧州の専門家の反応は予想通りだったが、
日本のフィギュアスケートファンの意見は2つに分かれた。
ある人はスポーツと政治はあまり関係がないと指摘する。
「ロシアは全てのカテゴリーでフィギュアスケートの強豪国。魅力的なスケーターがたくさんいる」
「経済制裁やスポーツ大会からロシア選手を排除することは、罪のないロシア国民にとっては直接的なダメージとなるが、プーチンが直接ダメージを受けることはない」
「国と個人が違うことは分かっているし、ロシアのメドベージェワ選手など戦争反対のメッセージを寄せている選手もいます。でも今回の件はドーピングとは比較できないほど大きな出来事ですし、過去の経緯を見てもロシアという国は、国家ぐるみでアスリートの育成を行っています。このような措置は致し方ないように思います」
「ただ個人的にはスポーツや文化の世界での制裁は気の毒で、ロシアの文化まで否定してしまうような、行き過ぎた圧力にならないように考慮して欲しい。ロシアには優れた芸術家やアーティスト、アスリートがいっぱいいる。彼ら個人への攻撃はあってはならないし、今後も応援していきたい。国への制裁は当然民間人にもダメージがおよぶが、個人を責めることにならないよう、それだけは注意したい。ロシアという国は脅威だが、ロシア人はとても素敵な人たちだ。それだけは忘れてはならない」
「今は可能な限り、あらゆる手段でロシアに強い制裁を課すことが重要だ」
「ISUの副会長アレクサンドル・ラケルニク氏がロシア人なので、もしかするとロシア人選手の国際大会への出場を認めるかも…と思っていたから、ISU理事会の決定には驚いた」