【視点】キューバ危機から60年 我々は真の核の脅威からどれほど離れたところにいるのか?

© AFP 2023ハバナ・モロ要塞に展示されている、キューバ危機でキューバに配備されたソ連の対戦車ミサイル(2012年10月11日)
ハバナ・モロ要塞に展示されている、キューバ危機でキューバに配備されたソ連の対戦車ミサイル(2012年10月11日) - Sputnik 日本, 1920, 26.10.2022
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今から60年前、1962年10月にキューバ危機が勃発し、世界は核戦争への不安で凍りついた。そして今日、ロシアとウクライナの紛争で再び核の脅威に向けた警鐘が鳴らされている。スプートニクは、この2つの状況の類似性についてアナリストに話を伺った。
1962年10月、ソ連がキューバに核ミサイルを配備したのは、米国によるキューバへの攻撃を阻止するため、トルコに核ミサイルを配備した米国に対抗するためだったが、世界は約2週間にわたり緊迫した状態にあった
ニカラグアの国際研究地域センター(CREI)のアナリスト、マヌエル・エスピノサ氏によると、1945年8月に当時の米国大統領ハリー・トルーマン(在位1945〜1953)の命令で広島と長崎に原爆が落とされて以来、地球は常に核破壊の危険にさらされてきた。エスピノサ氏は、「これは核保有国だけが懸念する隠れた危険であるはずだった。二極化した世界の秩序には、独自のゲームルールがあり、1962年のキューバ危機をきっかけに、(中略)口約束を尊重するという新しい共存のスキームが生まれたのだ。しかし、社会主義陣営の崩壊後、米国と北大西洋条約機構(NATO)はソ連解体後の国境(ロシア)に向かって動き始めた」と語っている。
ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアに対する侵略の脅威を警告した。もしそれが止められないのであれば、強力に対応すると述べた。これらはすべて、米国とNATOがロシアの国境に接近し、ロシアの領土から20マイル(約32キロメートル)も離れていない場所で、軍艦、空母、核武装した軍用機を使って軍事演習を行ったことに起因している」
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核の脅威にさらに近づくのだろうか?

ニカラグアの政治学者ホセリン・ヤレスカ・ムニョス・ベッロテラン氏はスプートニクに対し、キューバ危機は第二次世界大戦(1939〜1945年)終結後に起きた重大事件の一つであり、したがって、現在はより大きなエスカレーションの危険が潜んでいるものの、当時の状況を2022年の今と同一視してはいけないと述べている。
ムニョス氏は、2つのシナリオの違いとして、技術の進歩、軍事面における専門知識のレベル、国家間の政治関係、経済的利益とシステムの相互関係がますます大きくなっていることを挙げた。また同氏は、ロシアが現在、世界有数の軍事大国であることも認めている。ムニョス氏は、「(現時点では)列強を1960年代のようなシナリオに導くような具体的な行動や軍事行動などはない」と述べ、西側諸国では核の脅威を押しつけるレトリックが広まっていると強調した。
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核のレトリック:虚偽報道?それともハルマゲドンは現実なのか?
ムニョス氏は、核兵器を使用する可能性はウクライナでの特別作戦開始のずっと前から存在していたが、米国や欧州のメディアが煽る反ロシアのレトリックの程度が深まったことで、より現実味が高まったと指摘している。同氏は、「主な目的は、ロシア政府を核兵器を使用できる唯一の国として提示することにより、世論を敵に回すことにある(中略)NATO側からの挑発が続いているにもかかわらず、ロシアが紛争を拡大させることに関心を持っているとは思えない」と述べている。ムニョス氏は、その挑発には月末(10月30日)までヨーロッパ北西部で行われるNATOの核抑止力演習も含まれていると指摘している。この演習では14カ国、60機以上の軍用機が参加する。
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