現地時間11日午前0時54分(日本時間午後9時54分)、シベルチ山で大規模噴火が始まった。ロシア科学アカデミー統一地球物理学庁カムチャツカ支部はテレグラムで、噴火は午前5時44分(日本時間午前2時44分)までに最大規模に達し、火山灰は高度2万メートルの高さに達したと報告している。
カムチャッカ在住のドミトリー・メリニコフさんは、シベルチ山から轟音が聞こえ、空が暗い雲で覆われ始め、その後真っ暗になったとスプートニクに語っている。
同支部によると、火山灰の雲はシベルチ山の北西500キロメートルまで広がり、高度は1万5000メートルに達した。シベルチ山近郊の集落では、火山灰が降り始めた。現地のクリューチ村では、降り積もった火山灰の層が数時間で約8.5センチになった。ここまで降灰は、60年ぶりのことだという。
この降灰により、現地では電力や水道の供給に問題が発生している。救助隊は、火山灰に埋もれた地域に防護マスクを届けた。集落内の病院や外来診療所は24時間体制に移行した。学校は遠隔授業に切り替わった。
🌋📸ロシア極東 #カムチャツカ 半島では11日午前1時(日本時間10日午後10時)、#シベルチ火山 が噴火した。その火山灰に埋もれた集落で暮らす人々が現在の様子を写真に収めている。 pic.twitter.com/plS4cskypV
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) April 11, 2023
同支部によると、11日午前11時10分(日本時間午前8時10分)以降、地震活動は減少している。しかし、研究者らは高度が1万~1万5000メートルに達する火山灰の再噴出や大量の降灰が続く可能性を排除していない。
火山学者によると、3日にカムチャッカ半島を襲ったマグニチュード6.9の地震がこの噴火を引き起こした恐れがある。地震波がマグマ柱を通過し、さらに鋭いエネルギーパルスが伝わった結果、溶融物質が大幅に増加し、地表で強力な噴火が発生した。
気象学者のアレクセイ・ココリン氏がスプートニクに語ったところによると、もし火山の噴出物が成層圏(高度1万1000〜5万メートルに位置する大気の層)に運ばれた場合、シベルチ山噴火が地球に及ぼす影響は深刻なものになる恐れがある。ココリン氏によれば、この場合、地球規模の寒冷化が1〜2年続く可能性がある。
露宇宙開発企業「ロスコスモス」は、人工衛星からの写真を公開。カムチャッカ半島のシベルチ火山から出た噴煙の流れが見える。