半導体の未来はロシアに大きく依存する

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半導体 - Sputnik 日本, 1920, 07.06.2023
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室温で超電導性を有する半導体がつくられたら、技術やエネルギーが根本的に変わる可能性があると学者たちは考えている。日本とオーストリアの物理学者による共同研究は、パラジウム化合物がそのような超伝導体になる可能性があることを示した。専門家らは、世界のパラジウム生産量の約半分をロシアが占めているため、今回の事態の変化はロシアにとって大きな利益になると指摘している。

現代物理学の主要な競争

超電導体は、無損失のエネルギー伝送システム、非接触式の高速列車、加速器や核融合炉用の超強力磁石、高性能マイクロチップ、超精密医療用診断装置、惑星間宇宙船のエンジンなどに必要とされている。日本とオーストリアの研究チームは、最もすばらしい超電導体を有する者が科学技術競争に勝つことは現時点で明らかだとの考えを示している。
これまで超伝導体の製造には、それぞれ米国とロシアの物理学者が発明した銅またはニッケルをベースとした複合化合物が最も有望だと考えられていた。一方、導電性が増すにつれて銅導体やニッケル導体は安定性を失った。なぜなら、電子の移動度が高すぎたり、低すぎたりするからだ。
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パラジウムの時代

オーストリアと日本の物理学者は、電子の安定化の問題を解決した。コンピューターシミュレーションを行った結果、ロシアの化学者メンデレーエフが発表した周期表でニッケルの下に書かれているパラジウムをベースにしてつくられた導体内の移動速度が最適なものになることが示されたという。研究者たちは「計算結果は有望だ。新しい種類のパラジウムを使った超伝導体が出現したら、それはすべての技術的プロセスを急速に前進させるだろう」と指摘している。
ロシアの産業に関する専門家、レオニード・カザノフ氏は、これは世界最大のパラジウム埋蔵量を有するロシアにとって朗報だとしている。パラジウムは白金族に属する希少で高価な金属で、30グラムあたりの価格は2000ドル(約27万8796円)超。カザノフ氏は、ロシアのノリリスク地区とコラ半島のパラジウム備蓄と、パラジウムを加工するための既存の生産施設は、制裁下にある現在でさえ、ロシアが新しいタイプの超電導体の世界市場で最大30%のシェアを占めることを可能にするとの確信を示している。2022年の統計もこれについて物語っている。

2022年の世界のパラジウム生産量 (トン)

ロシア

88

南アフリカ

80

カナダ

15

ジンバブエ

12

米国

11

その他

2.1

(出典元:Statista 2023)
スプートニク通信は先に、ロシアへの経済制裁などに伴い、日本では歯科治療に使用されるパラジウム合金が高騰していると報じた。
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