【ルポ】東日本大震災の恩返しイベント10回目!孤児の子どもたちをご招待、成長に喜び

© 写真東日本大震災の恩返しイベント
東日本大震災の恩返しイベント - Sputnik 日本, 1920, 14.03.2025
サイン
3月11日、ロシア・サンクトペテルブルクにある、日本料理レストラン「ヤルメン」で、「子ども村SOSプーシキン」から「家族」を招待して日本文化に触れながら食事を楽しむイベントが行われた。発案者はヤルメンのオーナーで、埼玉県在住の梅本和正さんだ。店のモットーは日露友好と震災支援の恩返しだ。梅本さんは、東日本大震災の時、ロシアが日本にいち早く支援をしてくれたことに恩返ししたいとの気持ちから慈善事業を始め、今回で10回目となった。ヤルメンは今年7月で開店10周年を迎える。
日本研究者のアンナ・レワさんがゲストに招かれ、和紙についてのレクチャーを行い、子どもたちは日本の紙づくりの文化について学んだ。その後、参加者全員で折り鶴を作った。
レワさん「この会に参加するのは、大好きな日本と日本人に対する、自分の感謝を表すひとつの方法だと思っています。東日本大震災が起こった時、私はロシアにいましたが、忘れられない衝撃でした。去年は能登地震もありました。日本は常に自然災害の恐れがありますから、いつも心の中で心配しています」
© 写真 : Zhitko Margarita折り鶴を作る子どもたち
折り鶴を作る子どもたち - Sputnik 日本, 1920, 14.03.2025
折り鶴を作る子どもたち
サンクトペテルブルク在住の日本人も駆けつけ、子どもたちの養母であるニーナ・ヴィクトロヴナさんや子どもたちと楽しく交流した。サンクトペテルブルク日本センター支部長の新井滋さんは、「有意義な時間を過ごさせてもらっています。今後もずっと続けて欲しいイベントです。ロシアのどこにいても、3月11日にはここへ戻ってきたい」と話す。
参加者の中には、日本料理店のシェフの男性もいた。当時、男性は高級レストランで働いており、著名人が私物を寄付し、寄付金を東日本大震災の被災者に送るというチャリティイベントが開かれていた。「店の雰囲気に似つかわしくない、ホームレスの方が来たんです。何かと思ったら、震災のニュースを聞いて、日本にお金を寄付したい、どこに行けばいいかわからないから、日本人のいそうな店に持って来たというのです。確か100ルーブルか200ルーブルだったと思います。自分の明日のパンも買えるか分からないというのに…」
男性は続ける。「タクシーで料金を払おうとしたら、それはいらないから、その分を被災者に寄付してあげてと言われた人もいました。当時はそんな話がたくさんあったのです。日本人には、ロシアの方がこれだけ心配してくれていたのだということを知ってほしいです」
© 写真 : Shigeru Arai「子ども村SOS」から感謝状を受け取る梅本和正さん
「子ども村SOS」から感謝状を受け取る梅本和正さん - Sputnik 日本, 1920, 14.03.2025
「子ども村SOS」から感謝状を受け取る梅本和正さん
世界情勢の不透明さに加え、日露関係をめぐる状況が厳しくなっているが、梅本さんは、この伝統行事を何よりも大切にしている。会の冒頭で、子どもたちに対し、震災の恐ろしさや、すぐさま救助を申し出てくれたロシアの非常事態省のチームが日本で活動したことを話した。「ロシアはガスと水も提供してくれた。僕たちの目的は、ロシア人、ロシアという国と、友達になること。助けに来たよと言われたら、すぐ助けてと言える関係ですね。お互いの信頼関係を作ることが大事」
「僕としては、恩返しのために店を作ったと言っても過言ではありません。スタッフの一人一人が、この気持ちを理解してくれています。スタッフからも、この店には良い人ばかりが集まると聞いています。材料費は上がっていますが、お客さんに喜んでもらうため、できるだけ日本に近い味と値段で出したいと、企業努力しています」
参加者は、サンクトペテルブルク郊外のプーシキンという町にある「子ども村SOSプーシキン」からやって来た。このような子ども村SOSはロシア各地に6か所ある。この慈善組織は、両親の庇護が十分に受けられていない家庭を支援し、社会的孤児を生まないよう活動している。両親が亡くなったり、生みの親が養育を拒否したりと、様々な事情で孤児となった子どもたちは、ここで、専門的な訓練を受けた養父母と暮らすのだ。そのうちのひとり、養母のニーナさんは、毎回このイベントに来てくれている。
© 写真 : Zhitko Margarita子どもたちからのプレゼント
子どもたちからのプレゼント - Sputnik 日本, 1920, 14.03.2025
子どもたちからのプレゼント
この日は、子ども村SOSでの暮らしを終えた「卒業生」も集まってくれた。日本に行くのが夢だというディアナさん(20歳)は、恩返しイベントの初回から欠かさず参加している。現在彼女は、イベント企画会社に勤めている。仕事も楽しく、自立して充実した毎日を送っている。サーシャさん(20歳)は、初めて参加した時は10歳だった。彼女も、化粧品の販売員として自立した生活を送っている。昔はアニメが好きでよく見ていたが、社会人となった今では忙しく、なかなか時間がないという。
ターニャさんは16歳。イベントに参加したのは6回目で、毎回日本に関する新しい知識を得られているという。好きなアニメは「呪術廻戦」で、将来はホテルビジネス関係の仕事につくのが夢だと話してくれた。
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