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ホルムズ封鎖は「新たな危機」ではない 不安の連鎖が市場を動かす
ホルムズ封鎖は「新たな危機」ではない 不安の連鎖が市場を動かす
Sputnik 日本
中東のシーレーンをめぐる緊張が高まるたびに、市場は同じ反応を繰り返す。戦争保険料の上昇、輸送コストの増大、そして供給不安の拡大。この構図は決して新しいものではない。過去のオイルショック、1973年の「トイレットペーパー騒動」や1980年代のタンカー戦争との歴史的パラレルを見れば、現在の事態の本質が浮かび上がる。 2026年5月4日, Sputnik 日本
2026-05-04T21:28+0900
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買い占めパニック1973年の第一次オイルショックの際、日本では「紙がなくなる」という不安が広がり、全国で買い占めが発生した。実際には、トイレットペーパーの供給が即座に途絶えたわけではない。不安が先行し、人々の行動が現実の品不足を生んだのである。今回の中東危機では、当時ほどの混乱は見られなかった。だが、一部報道やSNSへの投稿などを受け、経産省は「トイレットペーパーのほとんどが国内で生産されており、その原料は、国内回収古紙やパルプであり、中東に依存するものはほとんどないため、生産に直接的な影響はないとされています」とするリリースを発表した。モノはあっても高騰する1980年代のタンカー戦争では、ペルシャ湾を航行する船舶が攻撃対象となり、海上輸送の安全が揺らいだ。結果として起きたのは、供給そのものの停止というよりも、保険料の急騰と航行回避による物流の混乱だった。この構図は現在のホルムズ海峡にもおおむね当てはまる。海峡が完全封鎖されたり、備蓄や代替調達などによる供給が途絶えたりしたわけではないが、原油価格は高騰した。また、供給懸念により一部事業者が石油製品を過剰に発注したことで、市場の混乱を招いた事例もあったと高市首相が政府の会議で指摘している。人間の心理が危機をつくるトイレットペーパー騒動、タンカー戦争、現在のホルムズ海峡危機に共通することがある。それは、人々の不安が先行し市場や消費者が動き、結果的に現実が後からついていくということだ。具体的には、攻撃リスクや供給不安の噂から始まり、高騰や買い占めが起こる。そして結果として、場合によっては物流の目詰まり、店頭から商品が消えるという結果につながる。問題は、船が通るかどうかではない。 人々が「通らないかも」と信じた瞬間に、危機は動き出すのだ。1973年、日本では紙はなくなる前に消えた。そして現在、ホルムズ海峡でも、石油は止まる前から価格が動いている。日本を含めた各国は代替調達先を確保するとともに、市場や国民の「供給不安」という実体のない相手にも対処せねばならない。
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ホルムズ封鎖は「新たな危機」ではない 不安の連鎖が市場を動かす
中東のシーレーンをめぐる緊張が高まるたびに、市場は同じ反応を繰り返す。戦争保険料の上昇、輸送コストの増大、そして供給不安の拡大。この構図は決して新しいものではない。過去のオイルショック、1973年の「トイレットペーパー騒動」や1980年代のタンカー戦争との歴史的パラレルを見れば、現在の事態の本質が浮かび上がる。
1973年の第一次オイルショックの際、日本では「紙がなくなる」という不安が広がり、全国で買い占めが発生した。実際には、トイレットペーパーの供給が即座に途絶えたわけではない。不安が先行し、人々の行動が現実の品不足を生んだのである。
今回の中東危機では、当時ほどの混乱は見られなかった。だが、一部報道やSNSへの投稿などを受け、経産省は「トイレットペーパーのほとんどが国内で生産されており、その原料は、国内回収古紙やパルプであり、中東に依存するものはほとんどないため、生産に直接的な影響はないとされています」とするリリースを発表した。
1980年代のタンカー戦争では、ペルシャ湾を航行する船舶が攻撃対象となり、海上輸送の安全が揺らいだ。結果として起きたのは、供給そのものの停止というよりも、保険料の急騰と航行回避による物流の混乱だった。この構図は現在のホルムズ海峡にもおおむね当てはまる。海峡が完全封鎖されたり、備蓄や代替調達などによる供給が途絶えたりしたわけではないが、原油価格は高騰した。
また、供給懸念により一部事業者が石油製品を過剰に発注したことで、市場の混乱を招いた事例もあったと高市首相が政府の会議で指摘している。
トイレットペーパー騒動、タンカー戦争、現在のホルムズ海峡危機に共通することがある。それは、人々の不安が先行し市場や消費者が動き、結果的に現実が後からついていくということだ。
具体的には、攻撃リスクや供給不安の噂から始まり、高騰や買い占めが起こる。そして結果として、場合によっては物流の目詰まり、店頭から商品が消えるという結果につながる。問題は、船が通るかどうかではない。 人々が「通らないかも」と信じた瞬間に、危機は動き出すのだ。
1973年、日本では紙はなくなる前に消えた。そして現在、ホルムズ海峡でも、石油は止まる前から価格が動いている。日本を含めた各国は代替調達先を確保するとともに、市場や国民の「供給不安」という実体のない相手にも対処せねばならない。