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モスクワ州初の剣道選手権大会に参加したのは3チーム。「えっ、少ないんじゃない?」と思ってしまうが、モスクワ州が独立して大会を開けるようになったのはロシアの剣道家たちにとって誇るべきことなのだ。
大会では11歳から14歳までのジュニアの部、男子、女子の計3つの部で試合が行われた。ジュニアの部には11人、男子の部11人、女子の部3人、そして15歳の男子1人がお手伝いとして参加した (参加者について大会関係者に問い合わせた時、試合には参加しなかったが手伝いをしたこの男子は欠かすことのできない大切な参加者の1人なんだと説明を受けた)。
大会に出場するのが初めての選手も大勢いた。そのためコーチが入場の仕方などの「試合の作法」について手取り足取り指導する場面もあった。審判員も大忙しだった。ほとんどの審判が参加チームの会長やコーチを務めていたため、試合前には自分のチームの選手たちの指導をしたり、ジュニアの部の試合で審判を務めた後、今度は自分が大人の部に選手として出場した審判たちもいた。
試合会場ではロシアの選手たちが防具や竹刀などをとても大切にしている印象を受けた。また彼らは礼儀を非常に重んじている。技法と「礼」をしっかりと学んでいる。指導者たちが日本の「先生」から学んだ武道精神を教え子たちに伝えているのだ。ロシアでは「礼に始まり礼に終わる」という剣道をはじめとした武道の精神が着実に浸透している。