米、巡航核ミサイル断念の条件を提示

核を装備した艦船搭載型巡航ミサイルの配備計画を米国が断念するのは、新たな戦略指針に記された通り、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約を今後順守した場合においてであると、核・ミサイル防衛政策を担当するロバート・スーファー米国防次官補代理が述べた。
この記事をSputnikで読む

スプートニク日本

NATO事務総長、新たな核競争を引き起こすとしてロシアを非難
ワシントンで開かれている「核抑止サミット(Nuclear Deterrence Summit)」で演説したスーファー氏は、「我々は戦略指針で、仮にロシアがINF全廃条約の順守を再開し、戦術核兵器の削減交渉を始めるならば、仮にロシアが国際的な場での自らの侵略的な地政学的行動を変更するのであれば、我々は艦船搭載型巡航ミサイルについて話し合うことができる。(その場合、)我々にはそれ(艦船搭載型巡航ミサイル)を配備する必要が今後なくなる」と語った。

先に、米国防総省は同国の新たな核戦略指針を公表した。それによると米政府は、爆発力が小さい「低出力核弾頭」の開発に集中する。そのほか、米国は核戦力の近代化も継続するという。

INF全廃条約は、1987年に米国とソ連が調印したもので、翌1988年に発効した。双方は、自国の射程千~5500キロの中距離ミサイルと、射程500~千キロの短距離ミサイルを完全に廃棄する義務を負っている。1991年までに合意は遂行され、2001年まで双方の間で相互査察が続けられた。なお欧州諸国を含めた他の国々は、依然として中短距離ミサイル保有が可能とされている。

また米国は、一貫して条約の維持を支持しており、そうした立場は米国及び世界全体の安全保障上の要請に応えるものだと確信するとしている。一方、ロシア政府は「自分達は条約を遂行している」とし、逆に「米国は条約を隠れ蓑に、実際は、禁止された兵器を展開している」と反論している。

これまでも米政府の複数の高官は、INF全廃条約に違反しているとの理由で、ロシアに対する経済的・軍事的措置導入の可能性について、繰り返し述べてきた。しかし、いかなる決定も下されておらず、公式的な証明も示されていない。

関連ニュース

ロシアはカリーニングラードへのミサイル配備をNATOに報告しない

コメント