ハリウッド映画『シェイプ・オブ・ウォーター』と1961年のソ連の大ヒット映画の共通点とは?

2018年のアカデミー賞(オスカー)は、メキシコ出身の映画監督ギレルモ・デル・トロ氏の恋愛ファンタジー映画『シェイプ・オブ・ウォーター』が受賞した。同映画の舞台は1960年代半ば。研究所で清掃員として働く女性が、そこに連れてこられた半魚人に恋をし、半魚人が逃げる手助けをする。デル・トロ監督は、本作をSFホラー映画『大アマゾンの半魚人』から着想を得たという。しかし『シェイプ・オブ・ウォーター』は、人間の少女と「海の悪魔」の恋を描いたソ連の大ヒット映画『両棲人間』(1961年)を彷彿させる。通信社「スプートニク」が、ハリウッド映画とソ連映画の共通点と相違点についてご紹介する。
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デル・トロ監督によると、同監督はウラジーミル・チェボタリョフ監督とゲンナージー・カザンスキー監督の映画『両棲人間』を観たことはなく、別の作品やイメージからインスピレーションを受けたという。だが『シェイプ・オブ・ウォーター』というハリウッド映画とソ連映画『両棲人間』のストーリーは似ている。両作品ともに、地上と水中という異なる世界の恋人たちの物語だ。『両棲人間』は、ロシアの作家アレクサンドル・ベリャーエフの同名SF小説を原作としている。主人公はイフチアンドル。少年だったイフチアンドルは、才能ある学者サリヴァトールによってサメの鰓を移植され命を助けられた。その日以来、イフチアンドルは魚のように水中を泳ぎ、どのような深さにも潜れるようになった。だが地上に長くいることは困難だった。地元の漁師たちはイフチアンドルを恐れ、「海の悪魔」と呼んだ。ある時、イフチアンドルは貧しい真珠ダイバーの娘グチエレの命を救い、記憶のないままこの美少女に恋をした…

『シェイプ・オブ・ウォーター』も『両棲人間』も恋愛ファンタジー映画であり、愛し合う者たちの前に立ちはだかる悪役がいる。だが芸術的手法はもちろん異なっている(違う時代に撮影されたことのみが理由ではない)。

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『両棲人間』
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『両棲人間』

第90回アカデミー賞 受賞者と候補者
また『シェイプ・オブ・ウォーター』の主人公たちは美しいとは言えないが(半魚人は表現力豊かな適度に恐ろしいモンスターであり、恋する女性は地味な中年女性)、ソ連のメロドラマ『両棲人間』の主人公たちは当時のセックスシンボル、ウラジーミル・コルネエフとアナスタシア・ヴェルチンスカヤが演じている。

まったく異なる舞台セットの中に、さまざまな主人公が存在している。デル・トロ監督の映画では、沼のようなトーンの陰気な謎めいた装飾が使われている。一方、『両棲人間』は、クリミアにあるコバルトブルーの透き通った水のワスピ湾が撮影現場となり、夏に屋外で海を背景に撮影された。

なお、ハッピーエンドは2つの作品のうち1本だけ…. だが一番重要なのは、現代の観客を満足させることが稀な美しく感動的な愛の物語が、2つの映画に共通しているということだ。これ作品は明らかに観る価値がある。

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